3:夫の心理状態を読みながら交渉をする
「夫の心理状態を読みながら交渉をする」というのは、簡単にいうと、「夫に直接、不倫相手と別れるように言う」ということです。
不倫をしていることが、妻にすべてバレていると知って、素直に別れることを約束してくれる夫もいます。
しかし、逆ギレしたり、言い訳をしたりして、話をうやむやにする夫も少なくありません。
ですから、この作戦を実行する場合は、言い逃れできない“不倫の証拠”を準備しておく必要があります。この証拠を“武器”に、夫と“冷静に交渉”していくのです。
「冷静な交渉」とは?
ここで、実際に「冷静な交渉」を行って成功した例を1つご紹介しましょう。
妻、真紀さん(仮名)36歳は、夫の英雄さん(仮名)40歳が1年ほど前から、元カノとW不倫をしていることを知りました。
真紀さんは、ショックのあまり食欲不振と不眠が続き、しばらく思考停止状態になってしまったのですが、子どもがまだ小さいこともあり、「とりあえず今は、離婚はしたくない」という考えに至りました。
そして、真紀さんは私のカウンセリングルームに1人で訪れたのです。
妻の真紀さんが、不倫の事実に気づいたことは、夫の英雄さんはまだ知りません。
夫を問い詰めたい衝動に何度も駆られた真紀さんでしたが、そこはグッとこらえて「証拠」を集めることに専念していただきました。
何事もなかったかのように平然と話しかけてくる夫に殺意さえ覚えたこともあるという真紀さん。
しかし、ここで感情を爆発させてしまうと、完全に不倫相手へ気持ちが傾いてしまう可能性があることをお伝えし、「普段通りの妻」を演じてもらったのです。
辛い数ヶ月間でしたが、カウンセリングを続けながら真紀さんは頑張りました。
妻が行った「証拠収集」
まず、夫の不倫相手の情報と、現在の2人の行動を把握するために、調査会社に依頼をしました。
数日後、夫と元カノがラブホテルに出入りする証拠が取れ、元カノの名前、住所、職場、家族構成、実家の住所などが判明したのです。
また、夫の財布やポケットから出てきた領収書やレシート、元カノからのメモ書きなどが見つかり、それも写真に撮りました。
妻の覚悟
これで、逃れられない「証拠」は揃いました。
真紀さんは、「夫の逆ギレには屈しない」「私は、家族を守る」と“覚悟”を決め、夫に“決断”を迫ったのです。
子どもが寝たあと、夫婦の話し合いが始まりました。