「ミロクのかんたん!青色申告7」

確定申告の季節がやってきた。個人事業主の申告承認申請書の締切りは3月15日だ。家電量販店のPCソフト売り場にはすでに申告ソフトのコーナーが設けられ、商戦は本番を迎えている。この申告ソフト市場に、ミロク情報サービスの青色申告ソフト「ミロクのかんたん!青色申告7」が新風を吹き込んだ。

●青色申告ソフトは消費税増税対策が今後の課題

個人事業主が所得税を申告する方法には、青色申告と白色申告がある。青色申告は特別控除で最高65万円の控除を受けられるほか、赤字の3年間繰り越しができるなど、特典が多い。しかし、申告には帳簿の記帳が必要になるために、白色申告ですませてしまう人が多いのが実態だ。

青色申告の煩雑な帳簿の記帳を助けてくれるのが「青色申告ソフト」。これがあれば、簿記の知識がなくても帳簿を作成できる。

青色申告ソフトは、一度購入すると数年間使い続ける人が多い。確定申告書のフォーマットは毎年変わるが、帳簿が変わるわけではないので、そのまま使い続けることができるのだ。ところが、昨年8月に消費税増税法が国会で可決されたことで、今後、消費税率が段階的に引き上げになる可能性が出てきた。2014年4月に消費税率を現行の5%から8%に引き上げ、さらに2015年10月に10%に引き上げるという法律が施行されると、青色申告ソフトのユーザーは税率が変わるごとに有料のバージョンアップをする必要がある。

●「5年間無料」で売上げを伸ばす「ミロクのかんたん!青色申告7」

ミロク情報サービスは、業界初の長期にわたるプログラム保証サービスをつけた「ミロクのかんたん!青色申告7」を12月7日に発売した。4年ぶりの新バージョンになる。「5年間無料アップデートサービス」によって、ユーザー登録後、5年間は、バージョンアップや保守の追加費用が一切なしで、毎年最新版を利用することができる。つまり、今後消費税率が変わっても、無料で最新版に更新することができるのだ。

発売から1カ月が経過し、「ミロクのかんたん!青色申告7」の反応はどうだろうか。パートナー事業部の南波彰宏係長は、「年末から電話でのお問い合わせが増えて驚いている。パッケージに銘打った『5年間無料』をご覧になったお客様が購入を検討されているようだ」と現在の状況を説明する。

問い合わせはソフトの機能に関することが中心で、「購入前に機能を確認したいという方が多い」(南波係長)という。売上げは順調で、12月の店頭販売と直販サイト販売を合わせた売上げ本数は前年同期の約1.8倍に上った。

しかしミロク情報サービスは、この結果に満足していない。南波係長は、「12月は発売したばかりで、売り場では旧バージョンからの入替えが十分にできていなかった。またPCソフト売り場は、年末まで年賀状ソフト一色。販売する環境がまだ整っていなかった。いまからが勝負」と意気込む。

1月からは店舗巡回を強化し、旧バージョンから新バージョンへの入替えを徹底して商戦本番に備える。「どのメーカーの青色申告ソフトも、青色申告に必要な機能をすべて備えている。つまり、機能比較がしにくいソフト」と説明する南波係長。機能がほぼ同じなら、選ぶ基準は人それぞれになる。例えば、知り合いが使っている、使いやすそう、価格が安い……。今年の場合、その一つに「5年間無料」が入るのは間違いないだろう。(BCN・山下彰子)