『ザ・マスター』(C)MMXII by Western Film Company LLC All Rights Reserved.

『マグノリア』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の鬼才ポール・トーマス・アンダーソン監督がホアキン・フェニックス、フィリップ・シーモア・ホフマンらを迎えて撮りあげた最新作『ザ・マスター』の予告編が公開された。

『ザ・マスター』予告編

本作の主人公は第二次世界大戦で心に大きなキズをおった元兵士フレディ(フェニックス)。彼は密航した船で、ある宗教団体に遭遇し、指導者のトッド(ホフマン)と出会ったことで人生に大きな変化を迎える。映画はトッドと、彼の右腕となったフレディ、トッドの妻、そして教団が巨大な変化に飲み込まれていく中で、人が人を信じること、人が何かを信仰することについての物語が描かれる。

これまでジョン・C・ライリーやジュリアン・ムーア、ダニエル・デイ=ルイスら名優たちがしのぎを削って深い人間ドラマを見せてきたアンダーソン作品だが、本作では先のふたりとトッドの妻ペギーを演じたエイミー・アダムスを中心に名優たちの演技バトルが展開する。このほど公開された予告編でも、心の行き場を失った主人公を荒々しい演技で表現するフェニックスを始め、カリスマ性のある教祖を演じるホフマン、ある秘密を抱えた妻を演じるアダムスの登場シーンが次々に登場。本作は俳優に対する評価が極めて高い作品で、スクリーンで展開される俳優たちのバトルが大きな見どころになりそうだ。

また、極端なクローズアップや広大な空間を暴走する登場人物を捉えたロングショット、フォーカスを駆使した立体感のあるカットや、顔の半分に影が落ちる陰影にとんだショットなど、スクリーンでじっくりと観たい映像が次々に登場。昨年のヴェネチア映画祭を始め、数々の映画祭や映画賞で観客や批評家たちをうならせてきた作品だけに予告編も一瞬も気が抜けない重厚な内容に仕上がっている。

『ザ・マスター』
3月22日(金) TOHOシネマズ シャンテ、新宿バルト9ほか公開