(写真左より)日本サッカー協会・西野朗技術委員長、森保一監督、田嶋幸三会長 (写真左より)日本サッカー協会・西野朗技術委員長、森保一監督、田嶋幸三会長

10月30日、『第32回オリンピック競技大会(2020/東京)サッカー男子』森保一監督就任記者会見が行われた。2012年にサンフレッチェ広島の監督に就任し、三度のJ1王者に導いた指揮官は「自国開催の『東京五輪』で監督をするということは結果が求められる。全身全霊をもって向っていきたい」と意気込みを語った。目標について「日本代表のアンダー世代、大切に育ててきた選手をさらに上へ引き上げたい。日本代表ではロシアの次の2022年『W杯』に選手が出られるように育成したい。国内のJリーグのみならず大学や所属チームが喜んでくれる育成をしたい」と述べた。

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『東京五輪』での具体的な目標を問われると、「自国開催で望まれているのは間違いなくメダル。メダルを獲得できるようにがんばっていきたい」とキッパリ。目指すスタイルについて質問が飛ぶと、「組織力をもって、連動して、攻守ともに全員で戦うサッカーがしたい」と答えた。

森保監督を日本サッカー協会が万全の体制でバックアップする。田嶋幸三会長が「森保監督がこういうトライをしたいというのを全面的にバックアップしていきたい」と言えば、西野朗技術委員長も「要望があればストレートに要求してほしい」と応えた。さらに西野委員長は決勝トーナメント1回戦で敗退となった『U-20W杯』『U-17W杯』について言及。「昨年から強化を強めて海外遠征もし、いい成果を出せるという期待もあったが、本大会に行ってみると、日本とワンランク違う。決勝トーナメントに進んでから勝てないという現実がある。強化プランを真剣に考え、世界基準をとらえた中で見直さないといけない」と危機感を口にした。

U-23日本代表は『東京五輪』に向けての予選はない。開催国として予選を免除されたメリット・デメリットについて、森保監督は次のように答えた。「予選がないということは全体的な底上げができるメリットがある。予選には真剣勝負をして勝って、ステップアップしていく面もあるが、予選がないメリットを生かしてチーム作りをしたい。世界と戦っていくにはもうひとつ殻を破らなくてはいけない。どこが足りないかをトレーニングしたい。どこまで情熱を持ってやれるか」

森保監督にはU-23日本代表にメダルをもたらすとともに、もうひとつの使命がある。監督は言う。

「自分は長崎に生まれ、広島で育ててもらった。世界にふたつしかない被爆地であり平和都市で育ってきた。『五輪』も平和の祭典。そういうものも発信できたら幸い」

森保監督の初陣は、12月にタイで行われる国際大会となる。まずは各世代代表監督、クラブ関係者への情報収集とともに、選手選考に取り掛かる。