『新世紀エヴァンゲリオン』TVシリーズから新劇場版4部作までの膨大な資料

第3章「挑戦、或いは逃避」展示風景。TVシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』企画書

1995年に制作した『新世紀エヴァンゲリオン』は、庵野の評価を不動のものにした。

第3章「挑戦、或いは逃避」では、TVシリーズから新劇場版4部作までの膨大な資料を展示。

なかでも、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のために制作されたミニチュア模型は圧巻だ。

スタッフは、このミニチュアを使って画中のコンテなどを制作していたという。特撮に思い入れのある庵野ならではの発想だろう。

第3章「挑戦、或いは逃避」展示風景
第3章「挑戦、或いは逃避」展示風景。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のためのミニチュア模型

第3章では、アニメと並行して庵野が取り組んだ実写作品の資料も展示。庵野にとって初の実写作品となった『ラブ&ポップ』(1988)や『式日』(2000)、『キューティーハニー』(2004)などを経て、2016年には『シン・ゴジラ』が大ヒットを記録。

そして、第4章「憧憬、そして再生」では、公開を控える『シン・ウルトラマン』、『シン・仮面ライダー』の資料や小道具などが紹介されている。

第3章「挑戦、或いは逃避」展示風景。(上)庵野秀明 シン・ゴジラ ラフイメージ (下)前田真宏 シン・ゴジラ コンセプトアート
第3章「挑戦、或いは逃避」展示風景。『式日』(2000)資料展示

展覧会は、庵野が「僕らがいなくなってもアニメや特撮が残るようにしたい」という思いで立ち上げたATAC(特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構)の活動などを紹介する第5章「感謝、そして報恩」で締めくくられる。

庵野秀明ファンだけでなく、すべての特撮・アニメファンが心ときめかす展示にあふれた展覧会。展示数が非常に膨大なため、半日程度の鑑賞時間を見込んで会場に足を運んでみよう。