『オズ はじまりの戦い』(C)2012 Disney Enterprises. Inc.

『スパイダーマン』トリロジーを手がけたサム・ライミ監督と、『アリス・イン・ワンダーランド』の製作者が作りあげるファンタジー大作『オズ はじまりの戦い』が3月に公開される。本作の大きな見どころは、劇中に登場する魔法の国だが、デザイナーとして本作のビジュアルを手がけたロバート・ストロンバーグの最新コメントがこのほど到着した。

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ストロンバーグは、『アバター』『アリス…』でプロダクション・デザインを務め、2014年公開予定のアンジェリーナ・ジョリー主演作『マレフィセント(原題)』で監督デビューを飾る才人だ。彼は魔法の国“オズ”をスクリーンに描き出すため、過去のディズニー作品と、19世紀の絵画にインスピレーションを受けたという。「最初に思ったのは『アバター』と同じにはしたくないと言うことだった。そこで、ディズニーのクラッシック映画を観て、ディズニー特有の世界をフォトリアルなレベルに仕上げたら面白いと思った。もうひとつ参考にしたのは、19世紀のハドソン・リバー派(19世紀に米国で活動した一派。細部まで描きこまれた写実的なタッチと、自然界に神の存在や幻想世界を見てとる神秘的な題材が特徴)の作品だった。作品の光と闇の描き方とか、彼らの絵に特徴的なムードを参考にしたんだ」。

さらに本作は3Dで撮影/公開されるため、巨大なセットを建てこみ、俳優たちが実際に家屋や不思議な植物に手を触れ、存在を感じながら演技する場面を3D撮影した。「『アバター』は基本的にはデジタルを使い、『アリス』はセットがあったけど最低限だった。セットとデジタルのバランスは学習中だけど、この作品では最良の割合に近づけたんじゃないかと思う。CGとセットを合わせるのは例えて言うなら、絵を描いている時により多くの色を手に入れたような感じで、そのふたつがひとつの映像になっていくのを見るのは非常に感動的なんだ」。ちなみに『オズ…』でおなじみのレンガ道も実際につくられたという。「セットとしては、180フィート(約54.86メートル)作ったんだ。それにプラスして、カーブしているもの、上り坂のもの、下り坂のものも作ったよ」。

世界中の子どもたちが読み継ぎ、空想をふくらませてきた魔法の国を映像化することは簡単なことではない。しかし、ストロンバーグは『オズ はじまりの戦い』に登場する世界は、『アバター』とも『アリス…』とも違う作品を描くことができたと胸をはる。「自分でしっかりと意識していないと同じようなことを繰り返してしまう恐れはある。だから新しい作品に取りかかった時は、常に意識しているよ。この作品は、もっと明るいものになると思うし、照明にしても、これまでの作品に比べるとずっと幸福な感じが出されているんだ」。

『オズ はじまりの戦い』
3月8日(金) 全世界同時公開