ご飯のおかずをおにぎりみたいに手で丸めたり、お団子を箸で刺して振り回したり、フォークやスプーンを楽器のようにカチャカチャ鳴らしたり…。

子どものこうした行動は想像力豊かですが、お行儀が悪いですよね。

このような「遊び食べ」は、どうやって直していけばいいのでしょうか。

「テキトー母さん」流子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話しします。

©あべゆみこ

子どもの「遊び食べ」を直すには?

子どもは1歳前から離乳食が始まります。ついこの間までママのおっぱいや哺乳瓶から必要な栄養を摂っていたのですから、いきなりスプーンやフォークを上手に使いこなせるはずがありません。

お腹が空いたら、目の前のご飯を食べるために手っ取り早く、手を使って食べてしまいます。

でも、いつまでも「ずっと手で食べてもいい」というわけにはいきませんよね。

そこで、次のように教えていきましょう。

  1. 子どもは手で食べ、ママが隙を見てスプーンで食べさせる(※スプーンやフォークの感触を体験させる)
  2. 子どもに一口二口ほどスプーンを使わせ、後は手づかみOKとする
  3. 食事の半分はスプーンで食べ、後は手づかみOKとする
  4. 全部スプーンで食べる

いつまでも「遊び食べ」が直らない理由

2歳過ぎてスプーンやフォークを使いこなせるようになっても、遊び食べが直らないことがあります。それには理由があります。

  1. お腹が空いていないから、食べたくない
  2. 途中からお腹がいっぱいになってしまい、もう食べたくない
  3. 食事の時間が長すぎる
  4. 嫌いな食材で口に入れたくない
  5. 気が散る環境で、食事をすることに集中できない

1~5の理由別に対処法をご紹介します。

1. お腹が空いていないから、食べたくない

「お腹が空いていないから食べたくない」。これは親が決めた食事の時間と子どもの空腹のタイミングが一致していないことから起こります。

ママの「6時にはお風呂、7時には夕飯、8時には歯磨き、8時半には絵本の読み聞かせ、9時には就寝」などのスケジュールが優先になっていませんか?もしかしたら、子どもの胃の状態を無視してしまっているのかもしれませんね。

寝る時間を遅くするのはよくありませんので、次のようにしましょう。

  1. おやつの量を少なくする
  2. 夕飯の時間、例えば7時のタイミングでお腹が空くようにおやつの時間を早める
  3. 外遊びを十分させてお腹を空かせる

こうして「ご飯を食べたくなる」条件をまず整えましょう。“空腹は最良のソース”という言葉があるように、お腹が空いていたら、遊び食べするのを忘れ、ガツガツ食べるからです。

2. 途中からお腹がいっぱいになってしまい、もう食べたくない

食事開始時はお腹が空いていたけれど、出された食事が大量で「これ以上食べたくない」状態になったとき、遊び食べが始まってしまいます。

親が「最低これだけは食べてね」と、子どもの食欲にあっていない大量のご飯を用意するのではなく、“子どもが食べきれる量”を出すようにしましょう。食べた後は、遊ぶものがなくなっている状態にするのです。