(左から)冨樫森監督、上戸彩、濱田ここね、泉ピン子、橋田壽賀子

1983年に社会現象を巻き起こしたNHK朝の連続テレビ小説を映画化する『おしん』(10月公開)のキャスト発表会見が5日、都内で行われ、女優の上戸彩(おしんの母親・ふじ)、泉ピン子(奉公先の大奥様・くに)らの出演が明らかになった。また、注目されていた主人公・おしん役にはオーディションで2471人の候補者から抜てきされた子役・濱田ここねの起用が決まり、世代を超えた女優3人が意気込みを語った。

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放送から30年目の節目を迎えた今年、日本のみならず世界で感動を巻き起こしたドラマが、装いも新たにスクリーンによみがえる。今回の映画化では主人公・おしんの少女時代にスポットを当て、2月中旬から庄内映画村ほか山形県内でオールロケーションを敢行。メガホンを執る冨樫森監督は「平成の新しい『おしん』を観ていただこうと思っている。エピソード集にはせず、母と娘の関係性を軸に、映画として芯を通すつもり。こんな時代ですから、泣いて泣いて元気になるような映画になれば」と抱負を語った。

母親役に挑む上戸は「世界的にも知られる作品なので、ものすごくプレッシャーを感じています。『まだ早い』『母親に見えない』と言われるのは目に見えていますし…」と不安をのぞかせながらも、「家族の絆や生きていく力強さといった『おしん』のテーマを、新しい形で表現できれば」と決意のコメント。ドラマ版で母親役を演じた泉は「私も(母親役を)上戸さんが引き継いでくれると聞いて、感無量。命をかければ大丈夫よ」と上戸を勇気づけた。

主人公のおしんを演じるここねちゃんにとっては、本作が本格的なデビュー作で「一生懸命、頑張ります」と少々緊張気味。そんなここねちゃんについて、冨樫監督は「こんなリンゴのほっぺをした野生児は、今の時代なかなかいない。生命力があふれている」と起用の理由を説明し、最終選考に立ち会った泉も「今の子役さんは、みんな上手過ぎるの。綾子(ドラマ版でおしんを演じた小林綾子)も最初は上手じゃなかったもの。それよりも存在感が大切」と太鼓判。原作者の橋田壽賀子氏も「思いきり演じればいい。変に演技するのは、おしんらしくない」とエールをおくった。

会見では以下のキャストが正式に発表されている。

『おしん』
10月公開