蘭寿とむ 蘭寿とむ

ジョージ・クルーニー演じるダニー・オーシャンと10人の仲間たちが、カジノの金庫破りに挑む犯罪アクション映画『オーシャンズ11』。ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツら、豪華スターたちの共演でも知られる作品で、2011年には、宝塚歌劇団星組が世界初のミュージカル化。スリル満点のスピーディーな展開と華やかなステージングで好評を得た本作が、装い新たに花組で再演される。2月8日(金)の開幕を前に、ダニー・オーシャンを演じるトップスター、蘭寿(らんじゅ)とむに、本作にかける想いを訊いた。

宝塚歌劇花組『オーシャンズ11』チケット情報

前回の星組公演で初めて『オーシャンズ11』を観た蘭寿。その際受けた印象は「エンターテインメント性が高く、宝塚を初めて観る人でも楽しめる作品」だった。そして花組での再演が決まり、映画版を手にした。「とにかくジョージ・クルーニーがカッコよすぎですよね(笑)。大人でクールで知的で……、私がやりたかったのはコレだ! って直感で思いました。今は、“チョイ悪”な大人の男のカッコよさを出せるよう研究しています。詐欺師で、カジノの金庫破りという大胆なことをしますが、本当の悪人ではない。彼が見つめる先には妻のテスという存在があるんです。観終わった後に、“楽しかったね”だけで終わるのではなく、ダニーが何のために動いているのか、彼の人物像や想いを皆さまに感じ取っていただけるように演じたいです」。

“イレブン”のメンバーは、専科・北翔海莉(ほくしょうかいり)から若手まで、実に多彩。特に、ダニーの親友ラスティーを演じる北翔とは、宙組時代をともに過ごした間柄。息がぴったりで、役作りをせずとも演じられるようだ。「彼女が隣にいるのはとても自然ですし、頼もしい。お芝居の面でも存在としても、花組はとてもいい刺激を受けています。彼女がコメディ風のお医者さんに扮するシーンなんて、本読みの時点でみんながお腹を抱えて笑うほど面白くて(笑)。イレブンはとてもバラエティに富んだ仲間が揃っていますので期待していただきたいです」。

来年の100周年に向けて、本作でさらに勢いをつけたいところ。伝統の花組を背負う蘭寿にも気合いが入る。「99周年の今年は、『ベルサイユのばら』に始まり、話題作がどんどん上演されます。『オーシャンズ11』は映画版の面白さに加え、宝塚歌劇ならでは演出も見どころですので、いろんな方に楽しんでいただきたいですね」。

公演は2月8日(金)から3月11日(月)まで、兵庫・宝塚大劇場にて。その後、3月29日(金)から5月5日(日・祝)まで、東京宝塚劇場にて。兵庫公演のチケットは発売中。東京公演は2月24日(日)午前10時より一般発売開始、2月12日(火)より先行受付開始。

取材・文:黒石悦子