愛、麻衣、ミイ『ギリギリ最強あいまいみー!』(『ちょぼらうにょぽみ劇場 あいまいみー』主題歌)

不条理過ぎるコメディ展開とブラックかつシニカルなギャグセンスで、ネットでも高い人気を誇る漫画作品が、まさかのショートアニメ化。当然、その主題歌も作品性に沿った奇抜なアイデアが盛り込まれたユニークな1曲となりました。

主役の3人娘役を演じた大坪由佳さん、内田彩さん、内田真礼さんの人気声優が凄まじくナンセンスな歌詞を可愛らしい声で歌っており、その時点でもネタモノとしての高い破壊力を有しているのですが、何といっても一番の聴きどころは、ゲストプレイヤーとして参加している超大物ミュージシャンの存在です。

何と、本曲は元MEGADETHのメンバーにして、今では、その流暢な日本語とJ-POPへの愛情でお茶の間の人気物となったスーパーギタリスト、マーティ・フリードマンが参加しているのです!

テクニカルなギターソロは勿論のこと、リフでガシガシ弾きまくるマーティの華麗なギタープレイが、楽曲の異常性を際立たせる本曲。

不条理ギャグアニメとマーティのシュールな組み合わせは、何とも言えない独特のおかしみを生み出しており、良い意味でのミスマッチ感こそが、この曲の最大の特色であり笑いどころといえるでしょう。

尚、『あいまいみー』とマーティの前衛的なコラボは、続編となる第2期シーズンの主題歌『全力炸裂あいまいみー!!』でも聴くことができます。

ハッカドール『キャベツ検定』(『ハッカドール THE あにめ~しょん』挿入歌)

ポップ・カルチャー特化型のニュースアプリ『ハッカドール』のキャラクターを主役としたショートアニメからは、第2話で使用された挿入歌のこの曲を。

タイトルの「キャベツ検定」とは、とあるアニメ作品で劇中に登場したキャベツの絵が乱れていたことから派生したネットスラングで、アニメ作品で描かれるキャベツのクオリティによって、その作品の作画レベルを測るという一種の悪ノリ的な視聴方法を表す言葉です。

そうしたコアかつアニメ作品にとってはアンタッチャブルなキーワードをテーマにした曲という時点で捻くれたユーモアとおふざけ感が満載なのですが、曲自体もかなり独特で、カッコ良いイントロから一転して、ダウナーな電子音と共にコアな歌詞世界が展開される、"電波ソング"的な側面も持ち合わせたコミックソングとなっています。

アニメの方も、アプリの利便性や実用性とはかけ離れたぶっ飛んだギャグが続出するメディアミックス化作品でしたが、そのノリを端的に伝えてくれる1曲といえるでしょう。

ちなみに、本作の主題歌は、オープニング、エンディング共に、PerfumeやCapsuleを思わせる良質なテクノポップを巧みにアニソン、声ソンへと落とし込んだ本当に素晴らしいナンバーが使用されているのですが、エンディング曲(『Happy Days Refrain』)のシングル盤にカップリング曲として収録されているのが、この『キャベツ検定』だったりします。……何故、入れたのでしょうか?

すーぱーぞうさんず&Rice5『友情物語・男子(?)バージョン』(『いぬかみっ!』ED曲)

こちらも悪ノリ全開なおふざけソングで、テレビアニメ『いぬかみっ!』の第18話で使用された特殊エンディング曲。

本作のエンディングは、ヒロインを演じた堀江由衣さんを中心に結成された女性声優ユニット、Aice5(アイス)が歌う『友情物語』が使用されているのですが、この18話のみ謎の男性ヴォーカルグループによる同曲のカバーバージョンが使われ、視聴者を爆笑の渦へと巻き込みました。

メンバーの名前は公にされていないのですが、どうやら、その大半は一般の会社員(『いぬかみっ!』の音楽を担当したキングレコードの社員など)だったようで、つまりは、素人の歌声がアニメ作品の主題歌として電波に乗ってしまった"珍曲"の称号に相応しい1曲。まさに、「公式が病気」案件です。

『友情物語』自体は、ポップなメロディとサビでの転調が印象的な可愛らしく、女性アイドルグループが歌うに相応しいナンバーなのですが、この男性ヴォーカルバージョンでは、そのチャーミング歌声が全て野太い男性の歌声に置き換えられており、全編に渡って異様な雰囲気を醸し出しています。