128GBモデルが追加されたiPad Retinaディスプレイモデル

アップルが2010年1月に「iPad」を発表してから、丸3年がたった。その間、4回のモデルチェンジが行われ、「iPad」で得られる体験を凝縮したという7.9インチの「iPad mini」も登場した。さらに、元祖iPadといえる9.7インチの「iPad Retinaディスプレイモデル(第4世代iPad)」には、大容量128GBモデルが追加された。

家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、無線LAN(Wi-Fi)のみに対応するWi-Fiモデルと、SIMカード対応の通信機能つきモデル(Wi-Fi + Cellularモデル)を合算したタブレット端末全体の月間販売台数は、集計開始以来、継続して前年を超えており、特に直近3か月は前年比239.1~327.2%と大きく伸びている。原動力は、ASUSの「Nexus 7」と「iPad」シリーズだ。今回の128GBモデルの追加は、単なるラインアップの拡充にとどまらず、タブレット端末の利用シーン・用途を拡大するための新たな布石だろう。「Nexus 7」をはじめとする安価なAndroid搭載タブレット、同じiOSを搭載した「iPad mini」との差異化や、大容量モデルに対するニーズを探るもくろみもありそうだ。

128GBモデルの発売に先立って、LTE/3Gに対応した「iPad mini」「第4世代iPad」Wi-Fi + Cellularモデルを販売するソフトバンクモバイルとKDDI(au)は、従来のキャンペーン・割引に加え、スマートフォンと「iPad mini」「第4世代iPad」を同時に購入・契約した場合に限り、「iPad」の利用料金を最大1万2600円割り引く新たなキャンペーンを開始した。そこで今回は、この新キャンペーンを含め、キャリアごとに、「iPad mini」「第4世代iPad」Wi-Fi + Cellularモデルの料金プランをまとめた。

●スマートフォンとセット利用で割引! 基本使用料0円から使えるプランも用意

「iPad mini」「第4世代iPad」のWi-Fi + Cellularモデルは、最も安い16GBモデル以外、キャリアによって価格が異なる。指定の条件を満たすと、もともとの端末代から最大24か月間、一定の金額を割り引くサービス(ソフトバンクモバイルは「月月割」、auは「毎月割」)の割引額の合計を差し引いた「実質負担額」にも差があって、「iPad mini」の32GB/64GBは240円、「第4世代iPad」の32GBは1680円、64GBは3120円、128GBは3360円、それぞれソフトバンクモバイルのほうが安い。16GBは、「iPad mini」「第4世代iPad」とも、2年間継続して利用すれば、端末代は差し引き0円になる。

料金プランは、「iPad mini」「第4世代iPad」とも、共通のLTE向けデータ通信プラン。「iPad」単体でも契約できるが、両キャリアとも、力を入れているのは「スマートフォンとのセット利用」だ。スマートフォンユーザー向けお手軽プランとして、基本使用料0円から利用できる2段階型の定額プランも用意し、スマートフォンとセットで利用すれば「基本使用料0円からiPadを使える」とアピールしている。

●<ソフトバンク>携帯電話や固定通信サービスとiPadの同時加入で最大1万2600円割引!

まずは、ソフトバンクモバイルからみていこう。iPhoneを含むソフトバンク携帯電話とのセット割引「スマホまとめて割」を利用すると、通常は月額5985円のフラット型パケット定額プラン「(iPad 専用)ベーシックデータ定額プラン for 4G LTE」の料金が1575円引きの月額4410円となる。さらに、3月31日までの期間限定キャンペーンとして、iPhone/SoftBankスマートフォンと「iPad Wi-Fi + Cellularモデル」を同月内に購入して契約し、指定の条件を満たした場合に限って、iPadの利用料金から追加で最大1万2600円割り引く。また、対象の固定通信サービスとiPadの同時加入でもiPadの利用料金から最大1万2600円割り引きになる。

●<au>「タブレットセット割」を開始 同じく同時加入で最大1万2600円割引!

auも、料金体系・キャンペーン内容はほぼ同様だが、iPhoneを含むauのスマートフォンとのセット割引「スマホセット割」を利用すると、通常は月額5985円のフラット型パケット定額プラン「LTEフラット for Tab(i)」の料金が1505円引きの月額4480円となり、ソフトバンクに比べると、70円高い。さらに、3月31日までの期間限定で、スマートフォンと「iPad Wi-Fi + Cellularモデル」を同月内に購入して契約し、「スマホセット割」を利用するか、指定の固定通信サービスとのセット割引「auスマートバリュー」を利用すると、iPadの利用料金から追加で最大1万2600円割り引く「タブレットセット割」を開始した。割引方法はソフトバンクとまったく同じで、利用料金から最大12か月、毎月1050円ずつ割り引くので、1年以内に解約し、条件を満たさなくなると割引額は少なくなる。なお、「タブレットセット割」を利用できる「auスマートバリュー」の対象事業者は、KDDIが運営するFTTHサービス「auひかり」の指定のプラン・プロバイダだけだ。

●ソフトバンクならiPad miniが実質無料で手に入るキャンペーンも

このほか、ソフトバンクモバイルは、iPhoneを含むスマートフォンのMNP向けキャンペーン「スマホタダ割」の選べる特典の一つとして、「iPad mini Wi-Fiモデル 16GB 実質無料プレゼント」を用意している。このキャンペーンを利用して「iPad mini」「第4世代iPad」のWi-Fiモデルのいずれかを購入すると、スマートフォンの利用料金から毎月1200円ずつ、合計2万8800円割引き、通常価格2万8800円の「iPad mini」の16GBモデルなら実質0円、3万6720円の同32GBモデルなら実質7920円で手に入るというものだ。Wi-Fi + CellularモデルとWi-Fiモデルの両方を取り扱っているソフトバンクならではの巧みなキャンペーンといえるだろう。

●2年間のトータル費用はわずかにソフトバンクのほうが安い

実質負担額がともに0円となる「iPad mini」の16GBモデルを購入し、フラット型パケット定額プランを契約した場合、iPad側の2年間のトータル費用の差は1680円。「安さ勝負」は、auよりも「スマートフォンとのセット割引」適用時のフラット型パケット定額プランの月額料金が70円安いソフトバンクのほうに軍配が上がった。端末代の差が最も大きい「第4世代iPad」の128GBモデルだと、その差は3360円+1680円で合計5040円に広がる。

どちらがいいかは、今回の記事では取り上げていないスマートフォン側の料金・端末代なども加味して決めるといいだろう。いずれにしても、iPad単独契約より、スマートフォンとのセット割引のほうが、通常より2万円以上安く済む。スマートフォンと「iPad Wi-Fi + Cellularモデル」の”2台もち”をするなら、キャリアを揃えたほうがオトクだ。(BCN・嵯峨野 芙美)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。

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