山崎まさよし 撮影・岩佐篤樹 山崎まさよし 撮影・岩佐篤樹

昨年12月にスタートした山崎まさよしのツアー「SEED FOLKS」は、彼の音楽の魅力を濃縮した、なんとも“おいしい!”ステージ。2月6日に、渋谷公会堂公演2daysの2日目として行われたライブは、4月末まで続く行程のその半ば手前といったところだが、すでにピークを迎えているかのような充実したパフォーマンスを見せつけて、オーディエンスを魅了した。

山崎の昨年のリリースは『太陽の約束』『アフロディーテ』『星空ギター』という3枚のシングルのみで、つまりこのツアーはニューアルバムをリリースして、その楽曲を聴かせてまわるという、一般的なパターンのツアーではない。だからこそ“おいしい!”と思えるのは、その最近作3曲はもちろんだが、『One more time,One more chance』をはじめとするヒット曲や人気曲を、今年デビューから18年目を迎えた彼のキャリアすべてを見渡したなかからバランス良くピックアップして、“山崎音楽濃縮版”を堪能できる内容になっているからだ。

「よく取材で“この歌詞の内容は実体験ですか?”と聞かれるんですけど、これだけ全部経験してたらお肌がボロボロになっちゃうでしょ」とか「結局、女々しいことばかり書いてますよね」とか、冗談めかした言い方ではあっても、山崎音楽のエッセンスをMCで自ら語ったりもするから、いよいよその音楽の魅力を実感することにもなる。さらに、山崎音楽のもうひとつの重要な魅力であるライブパフォーマンスの高効率なエネルギーの高さも堪能させてくれるという意味でも“山崎音楽濃縮版”と呼ぶに相応しい。

これまで積み重ねてきたキャリアの成果を伝えながら、その向こうにあるものを予感させるこのツアーは、山崎音楽の種を蒔く人たち=SEED FOLKSの新しい収穫に向けた第一歩でもあるのかもしれない。

本公演のライブレポートをチケットぴあwebにて公開中。山崎まさよし Live TOUR 2012-2013『SEED FOLKS』は、このあと全国を回り、4月27日(土)の新潟県民会館まで22公演が行われる。

(取材・文 兼田達矢)

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