おもな自主規制カテゴリと、厳しさの度合い

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視聴者保護という大前提を踏まえて、アニメにはどんな自主規制のカテゴリがあるのかを知っておきたい。分かりやすく列挙されているWikipediaの「テレビアニメ」項目→「自主規制の内容」から引用させてもらった。

・放送問題用語(差別や人権に関わる言葉など)
・映像演出(ポケモンショックの影響)
・飲酒・喫煙の描写
・性的・暴力描写
・放送自粛・中止(アニメの内容と類似したような事件が起きた時)

これらのほか、宗教関係の自主規制もT氏は付け加える。特定の宗教や教義を指し示している、と捉えられる恐れのある表現は避けることがあるそうだ。また、広義の「パクリ」と取られかねない引用などにも留意するという。

意外な規制、というか当然かもしれないが、商品名などにも気を配るとのこと。

「具体的な商品名や作品名などを想起させるセリフや文物も配慮を求められます。スポンサーがらみでなくても配慮する場合もありますし、"モジリ"であっても避けて欲しい、と言われることもあります」

どのカテゴリが規制対象になりやすいかは、T氏の経験的には「性描写と残虐描写への配慮が比較的多いと感じます」という。そして、残虐描写ひとつ取っても放送時間帯などが違えば規制の緩さも変わってくる。

「放送される時間帯の深さによっても厳しさが変わる場合があります。比較的浅い(=早めの)時間帯の番組では"血の色を真っ赤でなく暗く落とした色味にして欲しい"などの要望が出たりもします。深い時間帯なら"観ようとして観ている"人の割合が高くなるから、過激表現も多少は大丈夫だろうという逆の判断もあるでしょう」

同じ作品が複数の局で放送される場合は、キー局・ネット局間で相談して規制内容を共有したり、独自にチェックされたりケースバイケース。「地上波とBS・CSでチェックには微妙な温度差があり、より多くの人が観るであろう地上波は厳し目であることが多いです。ウェブ配信は現状それほど厳しくはないように感じます」など、大まかな傾向の違いはあるようだ。

そもそも自主規制の方針は局ごとで明文化されているわけではなく「表現に関してチェックする担当者がおり、その人の"感覚"で規制内容が決められることもあります。したがって、制作現場で局の方針を比較したり情報共有したりということはなく、作品ごとの個別の印象しかありません」という。

・自主規制の大前提は"視聴者の保護"
・そこにスポンサーの事情など複数の要素が絡む
・性描写と残虐描写への配慮が比較的多い
・明文化したルールはなく、作品ごとに個別で判断しているのが実情

まとめると、こんなところだろうか。