お金の「そうなんだ!」「本当?」といったいろんな知識をファイナンシャル・プランナーのヤマサキさんが紹介します。今回は「アベノミクスで私の給料は上がる?」を考えてみます。景気が回復しているとニュースではいいますが、これは本当でしょうか。私のお財布までその影響はやってくるの?

■アベノミクスで景気が良くなったって本当?

昨年11月、野田総理が解散を表明して以降、株価が急上昇しています。11月13日の終値ベースで日本の代表的な株価指数である日経平均株価は8,661円をつけていましたが、その1カ月後、12月13日の終値は9,742円まで上昇、2月13日には11,251円をつけるまで伸びています。2月6日の終値11,463円が執筆時点での最高値ですが、17.67%も一気に値上がりしたことになります。

これは簡単にいえば、日経平均に連動する投資信託を100万円もっていたとすれば、この3カ月で117万円になったということです。3カ月の定期預金の金利が現在0.025%ですから、同じ100万円を銀行においても50円しか増えない時間ですからそのすさまじさが分かります(これは年利なので実際には4分の1の0.00625%となり、さらに20%の税金が引かれる)。

急激な株価上昇の要因は、安倍総理大臣が掲げた成長戦略、いわゆるアベノミクスによる景気回復期待に市場が大きく反応したことです。円高に行きすぎた為替市場について円安への誘導姿勢を示したことで、大きく円安に振れたことも輸出や海外でのビジネスに依存度を深める日本企業にとって助かる要素であるため、いっそう株価上昇に拍車を掛ける形となりました。

でも、ニュースが騒ぐほどにあまり景気が良くなったような気がしませんよね。なぜでしょうか。

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