こんなの想定外!産んでみて初めて気づいたデメリット

このように、メリットはたくさんあるのですが、一方では、4人産んでみて初めて気づいた「盲点」や、避けられない問題も……。

次に、Aさんが教えてくれた「子だくさん」のデメリットを紹介します。

1: 心配事や不安も人数分

「とにかく幸せ」というのが子だくさんの最大のメリットと言い切っていたAさんですが、一方で「やはり心配事も人数分出てきますね」ともいいます。

4人いると子どもの個性もさまざまなので、子育ての途中でぶつかる悩みもそれぞれ違うそう。

今日はこの子の体調を心配し、次の日はあの子の行動にハラハラ……と、ジェットコースターのような毎日を送っているようです。

2: ママ友関係で混乱

「ママ友が増えたこと」をメリットの一つとして挙げていたAさんですが、実は最近は、あまりにママ友が増えすぎてちょっと混乱気味なんだとか。

「誰がどの子のママがわからなくなってきちゃって。相手は4人子持ちの〇〇さん、みたいな感じで覚えてくれて、話しかけてくれるけど、こっちは、どの子関係のママ友だったか思い出せないまま、当たりさわりのない会話だけして別れる……なんてこともあります(笑)」

3: 遊び場で人数オーバーに!?

日頃、買い物ついでに子どもを遊ばせることができる屋内遊戯施設をよく利用しているというAさん。しかし、4人目の子どもができて初めて、なじみの屋内遊戯施設に連れて行ったとき、思わぬ盲点に気づいたそう。

「その施設では、子ども3人につき最低大人1人の付き添いが必要というルールがあったんです。4人目ができる前はギリギリ条件を満たしていたので、気づかなかったんですね」

同様のルールがある屋内遊戯施設は多いようです。

また、テーマパークでも、アトラクションに乗る際に人数制限があることも。

子だくさん家庭が遊戯施設やテーマパークに出かけるときは、利用条件をよく調べて、場合によっては一人っ子、二人っ子のママ友を誘っていっしょに行くなどの対策が必要かもしれません。

4: 旅行するのも一苦労&大出費

普段の生活はたいてい慣れと工夫で乗り切っていて、大きな問題は感じないものの、いつもと違うシーンでは、急に不便を感じることがあるそうです。

たとえば、旅行のとき。

「家族全員で泊まることができるホテルや旅館が限られていて、探すのに苦労します。あと、交通費がやたらかかるのも痛いですね」

ただでさえ手間のかかる子連れ旅行ですが、子だくさん家庭の場合、特に念入りな計画と準備が必要なのですね…。

5: 最大のネックは教育費

とはいえ、ここまで紹介したのは、Aさんにとっては些細なデメリット。

人一倍楽天的なAさんが、さすがに本気で「これだけはちょっと…」と頭を痛めているのが、子どもの教育費の問題です。

大学まで含めた教育費は、子ども一人につき1000万円以上かかるともいわれています。できる限り節約して費用を抑えたとしても、4人分となると莫大な出費でしょう。

子どもが多いほど児童手当の額が増えるので足しにはなりますが、大幅な負担減になるわけではありません。

「教育費の問題さえなければ、本当は5人くらい産みたかった」というAさん。「大学卒業までの教育費が現状の半分くらいで済めばいいのにと切に思う」とため息まじりに話していました。

ほかのママにとっても、「もう一人、どうしようかな」と考えるときに大きなネックとなるのは、教育費の問題なのではないでしょうか。

少子化対策が社会全体の課題となっている今、産みたい人、産める人が教育費を理由に踏みとどまってしまうのは、実に残念なことですよね。

ただ、今回のAさんへのインタビューを通して、「教育費がかかる」という問題を除けば、4人の子育てといっても大変な面ばかりではなく、子だくさんならではの喜びやプラス面も多いことがわかりました。

漠然と「大変そう」と感じていた子だくさん家庭のイメージが、より具体的になることで、「もしかしたらウチも、もう一人くらいはいけるかも」と希望を持つママもいるのではないでしょうか。

もちろん、子どもの性別や個性、年齢差にもよるので、Aさんの感じたメリット&デメリットがすべての家庭に当てはまるわけではありませんが、リアルな「子だくさん家庭」の声として、ぜひ参考にしてください。

京都在住ライター。私大文学部を卒業し、会社勤めを経てフリーライターに。東京都内で活動した後に、京都市左京区に引っ越し出産。その後は京都で子育てをしながらライター業を続ける。インタビュー・取材記事をはじめ、カルチャー、ヘルスケア、生活などのジャンルで幅広く執筆。