山本浩二WBC日本代表監督  (C)THE YOMIURI SHIMBUN 山本浩二WBC日本代表監督  (C)THE YOMIURI SHIMBUN

賛否両論はあるだろう。当然の話である。野球ファンというのは、全員が監督気分である。そして「ああだ、こうだ」と語るのは、野球ファンの特権でもある。

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果たして、2月20日、侍ジャパン33人の代表候補から山井大介投手、浅尾拓也投手、村田修一内野手、大島洋平外野手、聖澤諒外野手が外れた。「浅尾がいなくて誰が9回を抑えるの?」「じゃあ、前田のケガは大丈夫?」「足を使うなら聖澤は必要では?」など、今夜野球ファンたちの語りは熱を帯びるだろう。だが、今回重要なことは山本浩二監督が誰を選ぶ(落とす)かではない。3月2日(土)に開幕する『WBC』でどんな野球を見せるのか、だ。

山本監督は昨年10月の代表監督就任会見で「短期決戦ですから、そんなに点は取れないでしょう。やはり投手力中心のチームになればと思っています」と語った。翌月のキューバ戦前には「国際試合で1点の重みは増す。その1点をどう取るか」と口にし、12月の代表候補発表時には「国際舞台では守りの力が大事になってくる」と言った上で、「そんなに点は取れない。足を使った野球を心掛けていきたい」と方向性を明らかにした。

言うまでもなく、山本ジャパンのキーワードには「投手力」とともに「足」と「小技」が挙げられる。その野球を実践できるのが、今回の28名のメンバーである。浅尾も村田も負傷の不安を抱え、大島も負傷明けである。山井は2月17日の大乱調があった。ただ、総合力ではやや劣るものの突出した足を持つ聖澤の落選はもったいない気がするが、一番身近に選手を見てきた監督・コーチの判断が最も正しいはずだ。

4か月前は、MLB勢中心のチーム作りを構想していた山本監督は、来るべき決戦へ向けて、名前ではなく、勝つメンバーを選んだ。1か月後、そのことが証明されることを期待したい。

◇WBC侍ジャパン最終登録メンバー
◆投手
涌井秀章(西武)
能見篤史(阪神)
沢村拓一(巨人)
今村猛(広島)
田中将大(楽天)
杉内俊哉(巨人)
前田健太(広島)
森福允彦(ソフトバンク)
内海哲也(巨人)
大隣憲司(ソフトバンク)
牧田和久(西武)
山口鉄也(巨人)
摂津正(ソフトバンク)
◆捕手
相川亮二(ヤクルト)
阿部慎之助(巨人)
炭谷銀仁朗(西武)
◆内野手
鳥谷敬(阪神)
井端弘和(中日)
松田宣浩(ソフトバンク)
坂本勇人(巨人)
松井稼頭央(楽天)
稲葉篤紀(日本ハム)
本多雄一(ソフトバンク)
◆外野手
糸井嘉男(オリックス)
中田翔(日本ハム)
内川聖一(ソフトバンク)
長野久義(巨人)
角中勝也(ロッテ)