【文房具】手帳選びに新選択肢!究極の和モノ「旧暦日々是好日」

2011.11.29 17:00

旧暦の元旦(新月)から始まるちょっと風変わりな手帳「旧暦日々是好日」。月の満ち欠けとともに生活ができて、書いて、見て、読んで、感じて、五感を刺激する。それがこの手帳の最大の特徴です。是非一度お手にとってみては?

 こんにちは。東京小猫商会の和田哲哉です。関東エリア、だいぶ寒くなってまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。さて、秋から年末に向かって、文房具店や書店では手帳の販売が盛んになります。パソコンやスマートフォンがスケジューラーの機能を充分担うようになり、社会人も学生さんも多くの人が「電子系」に移行するなか、一定の理由と目的を持って紙の手帳を使う人もまだおられ、ここ数年はそれぞれの棲み分けが確立しつつある状況に思います。

 紙の手帳を使う理由は何か。これには諸説ありますが、私からは「いつまでも残せる記録・保存性」つまり日記としての役割が第一ではないかと考えています。そのほか「自分の文字と絵を使って紙面に表現できる」言い換えれば、ちょっとした作品性を重視して紙にこだわる人も少なくありません。そう言えば手帳に写真や旅行のチケットをせっせと貼り込んでいる人もいますね。(それはもはや「スクラップブック」とも言えるのでありますが。)そのほか意外と多いのが、リスペクトしている有名人の名が冠された手帳を使う人たち。ビジネスの成功者やメディアでの著名な人がプロデュースした手帳を買い求める人が思いのほか大勢おられます。それは電子物のそっけなさとは対極の、自分の気持ちを手帳に委ねる気持ちの表れでしょうか。

和文化ダイアリー「旧暦日々是好日」
















いろいろな手帳が出回っているなか、誕生当時から私がずっと見守っている手帳があります。それが今回ご紹介する、ルナワークスの和文化ダイアリー「旧暦日々是好日(きゅうれきひびこれこうじつ)」です。ルナワークスは和文化研究家、高月美樹さんの活動名称。旧暦日々是好日は高月さんが個人で制作している旧暦ダイアリーなのです。

 現在世の中に出回っているほとんどの手帳(ダイアリー)は西歴に基づいて作られています。いっぽうの旧暦日々是好日は、太陰太陽暦と言われる「天保暦」を基準にしています。これは太陽暦と月の満ち欠けの周期に添う太陰暦とを掛け合わせたもの。具体的には(2012年度版では)西暦2012年1月23日が睦月一日、つまり元旦。そして月齢は「新月(しんげつ)」です。この日から月の「満ち」が始まり、睦月十七日が満月。今度は折り返して月の「欠け」が始まり、一番欠けた次の新月が如月一日となります。つまり、月の満ち欠けとともに生活ができる。それがこのダイアリーの最大の特徴です。

「ダイアリー記入欄+読み物(和文化コラム)+月齢表記」の基本レイアウト














仕事帰り。車のフロントスクリーン越し、ビルの谷間にちらりと見える月。あるいは最寄りの駅を降りて歩く家までの道すがら、自分を照らしてくれる明るい月。思い返すと人々が月と接する機会って結構あるもの。単純に月齢を楽しむのも良し。月齢と自身の体調との関係を探るのも一興。

卯月の開始ページには花鳥文様の挿し絵









 




最初の旧暦日々是好日が登場したのが2004年度版。今年で9冊目となります。この間、紙面のレイアウトは常に改良が加えられ、2012年度版は読みやすさ、書き込みのしやすさでほぼ完成に近づいている様子です。

月齢を一覧できるページ













 


旧暦日々是好日のもうひとつの特徴は、本書に収録されている和文化に関連した数多くの図版とコラムにあります。ダイアリーでありながら読み物にもなっているという趣向です。一例を挙げてみましょう。「踏青:太陽が真西に沈む春分は『自然をたたえ、生物をいつくしむ日』。多くの行事の始まりは『自然との交感』にある。(中略)踏青は足の裏の草の感触。若い命の息吹に直に触れて鋭気を養った昔ながらの風習。」

 また興味深いのが、本書に収録されている美しい植物や生け花の図版類が高月家に代々伝わっている所蔵品から採用されているという点です。

高月家所蔵の植物図
















月と共に歩み、季節をいつくしむダイアリー。ビジネスのオンとオフ、気持ちの切り替えにも相応しい一冊ではないかと思います。

 【関連サイト】
高月美樹さん、ルナワークスのサイト
旧暦日々是好日の詳細ページ
・オンラインショップ「信頼文具舗」の旧暦日々是好日ページ

わだ・てつや 東京小猫商会:文具部1号、コモノ部3号。文房具サイト「ステーショナリープログラム」主宰、ウェブショップ「信頼文具舗」店長。著書「文房具を楽しく使う」シリーズ(早川書房刊)ではノートや筆記具を趣味として楽しむための基礎的な知識を提供。近年の文房具人気を支えるリソースのひとつとなっている。その他、商品開発・ブランディング等のコンサルティング、講演、イベントプロデュースなどを行っている。 ブログ公式HP 

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