質問です。

子どもが幼稚園、保育園に出かけた後、ハンカチを忘れたらどうしますか?小学生の子どもが登校後、リビングに筆箱が落ちていたらどうしますか?

あなたは届ける派?届けない派?子どものためにはどちらの対応が親としてはベターなのでしょう。

この時、「面倒くさいから届けない」という選択をした人は“非情な親”“愛情がない親”なのでしょうか。『「テキトー母さん」流子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話しします。

忘れ物を届けた場合

さて、筆箱を届けた場合、子どもはどう思うでしょうか?

  • 忘れ物をしても「親が届けてくれる」と考える。そして、忘れ物に気を付けなくなる。
  • 親が届けてくれるので、困ったとき、親以外の誰かに“助けを求めること”が出来なくなる。

残念ながら学ぶことがあまりありません。 

忘れ物を届けなかった場合

筆箱が届かなかった場合、子どもはどんな事態に陥るでしょうか?

  1. 勉強道具がなくて困る。可哀想なことになる。
  2. 親も届けてくれないので、「さて、一日どうしようか」と悩む。
  3. 友達に「筆箱忘れちゃったから、鉛筆貸して~」、また「先生、すみません。筆箱を忘れてしまいました。今日一日、鉛筆を貸してください」とSOSを出す。助けを求める術を取得する。
  4. 明日の朝から「筆箱を忘れないようにしよう」と心に決めるようになる。

慌てて届けてしまうママはもしかして、目先のことだけしか見えていないのかもしれません。「子どもが筆箱がなくて困っているだろう」と可哀想に思って行動しているのですが、ちっとも子どものためにはなっていないのです。

もちろん、その内容や年齢によりけりで、届ける必要が出てくるケースもあります。

期日が決められた保護者向けの提出物や、幼稚園のお弁当や薬。子どもが入れ忘れたからといって届けないのは、よくありません。

でも、幼児であってもハンカチやタオルやコップを忘れた場合は届けないで、「先生貸してください」と言えるように教育をしたほうが、子どものためになりますよ。

子どもの成長を妨げる「過保護な親」の事例4つ

(1)お弁当のお箸を届ける親

ある中学校での話。

子どもがお弁当のお箸を忘れました。お母さんは慌てて学校に「届けた方がよいですか?」と電話をしました。担任が「自分で職員室に割り箸を借りにくるんじゃないですか?」と答えたそうです。

子どもは成長しているのに、いつまでも“うちの子はまだ何も出来ない子ども”と思っている過保護な保護者でした。