2013 WORLD BASEBALL CLASSIC 2013 WORLD BASEBALL CLASSIC

対外試合5試合目にやっと侍ジャパンらしい戦いが見られた。広島戦、豪州との連戦、阪神戦で日本代表は3安打、4安打、13安打、3安打と貧打に喘いでいた。それが2月28日の巨人戦で12安打を量産したのだ。

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もちろん、不安もある。主将で四番で捕手の阿部慎之助が、右ひざの違和感で最後の強化試合を欠場した。この試合の意味を知る阿部が、欠場を決断するということはその痛みの大きさが理解できる。しかも、ここまで主将は12打数1安打とバットが湿りがちだ。追い込まれてから、詰まった内野ゴロを連発するなど、内容も悪い。二次ラウンドを見据え、3月2日(土)にスタートする『WBC』一次ラウンドでの捕手としての出場は微妙である。DHや一塁手としての出場か、欠場か、はたまたマスクをかぶるのかは、当日のコンディションを見るまでわからない。

ただ、一次ラウンドだけならば、阿部不在でも過度な心配は無用だ。勝負事はやってみないとわからないが、ブラジル、中国に侍ジャパンが敗れるとは考えづらい。特に初戦では先制点を取るまで重い試合展開になるかもしれないが、コールドゲームの可能性もある(5・6回で15点以上の差、7・8回で10点以上の差で二次ラウンドまではコールド)。

だからこそ、ブラジル戦、中国戦の持つ意味は大きい。ここまで当たりの出ていない稲葉篤紀(9打数0安打)、鳥谷敬(16打数2安打)、糸井嘉男(19打数3安打)、長野久義(18打数1安打)、中田翔(15打数2安打)が最初の2試合で結果を残すことで不安材料は払拭される。結果が出なければ、交代するだけだ。巨人戦では2打数ノーヒットでエラーもした長野を、腰の張りを理由に途中交代させたが、キューバ戦以降は復調を我慢強く待つなんて芸当はできない。

投手も同様である。ピリッとしない投球が続く、田中将大、前田健太の両先発陣も格下相手に気持ちのいいピッチングで乗っていきたいところだろう。逆に言うと、ブラジル、中国の打線を封じるのに、手間取っているようでは二次ラウンド以降の計算が立たない。好調を維持する能見篤史、摂津正との先発交代も視野に入れなくてはいけない。幸いリリーフ陣は好調だ。浅尾拓也が戦線離脱し不安視された抑えも、山口鉄也→牧田和久のリレーで固まった。

ここまではあくまで強化試合である。明日からが本番だ。山本浩二監督が言う「調子のいいものを使っていく」が、実践される時となる。一次ラウンドは3月2日(土)から6日(水)まで福岡ヤフオクドーム、二次ラウンドは3月8日(金)から12日(火)まで東京ドームにて開催。チケット発売中。