<家電激戦区を歩く>広島・広島市(3) 接客重視で固定客を確保 来店頻度を高める取り組みも

2013.3.4 11:35配信

広島市では、エディオンの定評ある接客やサービスに慣れ親しんでいるお客様が多い。ほかの家電量販店やパソコン専門店も、エディオンに負けないよう、接客やサービスを強化して、固定客の確保に動いている。店を預かる店長や副店長には経験豊富なベテランや個性的な人材が揃い、スキルアップのためのトレーニングや購入につながるていねいな接客を徹底。店内では、滞留時間を長くするためのサービスを充実させるなど、ほかの地域と比べて質の高い取り組みを展開している。(取材・文/佐相彰彦)

→広島・広島市(1)から読む

<接客・サービス>

●地元密着型の人材が揃うエディオンを追う各量販店

広島市では、最も歴史があるエディオン広島本店のシェアが大きく、お客様からの評価も高い。エディオン広島本店の山田誠店長は、30年以上も前にエディオンに入社して、広島以外にも九州や関東、四国の店舗を経験し、本部でマーケティングに携わった経験をもつ。そして山田店長の下、旗艦店ならではの優秀な人材が揃う。広島本店のコンセプトは「お客様の期待を絶対に裏切らない」。このコンセプトに沿った売り場づくりとサービスで、お客様から高い評価を得ているのだ。

このエディオン広島本店に負けないよう、ほかの家電量販店やパソコン専門店も、個性豊かな人材を管理職に配置している。ヤマダ電機LABI広島の高橋圭一副店長は、大阪・難波にあるLABI1なんばの副店長の経験をもとに、中国地方初の都市型店舗、LABI広島の副店長を任された。兵庫県でエリアマネージャーを、また郊外型店舗のテックランドで業務に従事したこともある。これらの経験を生かして、「LABIという都市型の楽しい売り場づくりを実現しながら、地域密着型であるテックランドの要素も採り入れてサービスを充実させる」というコンセプトを掲げている。また、「広島市には、当店のほかに複数のテックランドがある。それらの店舗とも連携して、エリア戦略でシェアを拡大する」としている。

コジマNEW広島インター緑井店の加藤竜治店長は、中国・四国と九州、さらに宮城県の店舗を経験。NEW広島インター緑井店の店長に就任してからは1年弱だ。「2世代で来店するお客様が多い。こうしたなじみのお客様にご満足いただくことが重要だと考えている。昨年10月のリニューアルによって、新たなお客様も増えていることから、さらにサービスの充実を図っていく」と意欲をみせる。

ドスパラ広島店の原輝幸店長代理は入社6年目で、その半分を広島店で勤務してきた。東京・秋葉原や神奈川・横浜の店舗を経験したこともある。「秋葉原はゲーム、横浜は音楽が趣味のお客様が多かった。一方、広島はパソコンにくわしい40~50代のお客様や、60歳以上でデジタルカメラが趣味のお客様もいらっしゃる。そのお客様に適した接客やサービスを心がけている」という。

パソコン工房広島商工センター店の田邊綱一店長は、中国・四国の店舗を中心にスタッフを経験した後、広島商工センターの店長に就任。今年で3年目だ。「近くにスーパーマーケットのアルパーク天満屋や、ヤマダ電機やエディオンなどの家電量販店があるおかげで、高齢の方やファミリーが多い地域。相談だけでも気軽にご来店いただける環境をつくっている」と自信をのぞかせる。

●【接客】

高い接客スキルが基盤 研修で「売れるトーク」を学ぶ

家電製品の販売は、買いやすい売り場づくりとスタッフの接客がカギを握る。エディオン広島本店が「お客様がデモなどで体感したことをもとに、日常生活で使うシーンをイメージしていただくために、スタッフが言葉でわかりやすく説明する」(山田店長)ことを徹底するなど、広島市では接客を重視している家電量販店やパソコン専門店が多い。

エディオン広島本店では、パソコンコーナーで5年前など旧モデルと最新モデルを比較する展示など各コーナーで商品のよさを体感できるデモに力を入れている。さらに、「商品知識向上のため、主力商品を熟知する勉強会を実施している」(山田店長)という。主力商品は1か月単位で変わり、1か月あたり5アイテム程度。スタッフにはスタンプカードを配布して、「ラジオ体操のように出席したらスタンプを押していく」というやり方で、楽しみながら学べる環境をつくっている。また、「日々の勉強会では、優秀スタッフの接客をロールプレイング形式で学んでいる」という。このロールプレイングはスタッフが自発的に行っているそうで、「スタッフには、お客様に気持ちよく買い物をしていただきたいという気持ちがある。高いスキルを基盤に、お客様に満足していただける接客を行っている」と自慢する。実際の接客では、購入に結びつけるための接客の一つとして「高齢の方が多いことから、お客様に座っていただいて、しっかりと説明を聞いてもらう」という。

ヤマダ電機LABI広島でも、「お客様に座っていただいて、世間話をしながら接客する」(高橋副店長)という。スタッフの7割が地元出身者なので、「世間話で盛り上がって、また来店しようということで固定客になった方も多い」と笑顔をみせる。

コジマNEW広島インター緑井店では、昨年10月にビックカメラが得意とするデジタルカメラ関連機器の専門コーナーを設けた。この際、ビックカメラに研修に行ってトレーニングを受けたという。「(ビックカメラの店舗で)現場に立ってみてわかったのが売り方の違い」と、加藤店長は振り返る。具体的には、都市型と郊外型で接客のスピードに差があるということ。「ていねいに説明しながら、購入へと導く接客が身についた」ことを実感している。

●【サポート・サービス】

来店を促すサービスが充実 買い替え需要を高める取り組みも

広島市では、来店促進のために、さまざまな工夫を凝らした家電量販店が多い。

エディオン広島本店では、ベンチやソファ、イスを設置しているだけでなく、コンセントとデスクがあるスペース、さらにはコーヒーを飲みながら談話できるサロンも用意している。「デジタル機器の購入だけでなく、お客様が少しでも長く店に滞在したいと思うサービスを充実させている」と、山田店長は説明する。さらに、デジタルカメラの撮影講座を実施する教室、料理教室を実施する「クッキングスタジオ」なども設置している。「クッキングスタジオでは、レストランのシェフが電子レンジやオーブンを使って家庭でも本格的な料理をつくることができる教室を実施しており、非常に好評」(山田店長)という。

パソコン専門店でも、近くの店にはないサービスカウンターによって来店者が増えている。パソコン工房広島商工センター店では、ソフマップとの協業によって設置している買取りセンター「U-FRONT」が好調。田邊店長は、「買取金額を元手に当社ブランドのパソコンを購入するお客様が多い」とアピールする。

→広島・広島市(4)に続く(2013年3月11日掲載予定)

※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2013年2月25日付 vol.1470より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは

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