ケーブルの悩みを解決する「ワイヤレスHDMI WH01」

ブルーレイディスク(BD)レコーダーやゲーム機、デジカメ、スマートフォン、タブレット端末など、写真や動画を扱う多くの機器で、HDMIに対応したモデルが増えている。大人数で楽しむときには、そのHDMI機器をテレビやディスプレイなどと接続して、写真や動画を、ハイビジョンに対応した高画質の大画面に表示することができる。便利ではあるのだが問題が一つ。映像機器と再生機器を結ぶケーブルだ。ケーブルが短いと、表示機器のそばで操作しなければならない。長いと、ケーブルがじゃまになったり、長さに限りがある。そんな問題を解決してくれる製品があると聞いて、さっそく試した。SoftBank SELECTIONの「ワイヤレスHDMI WH01」だ。

●「ワイヤレスHDMI WH01」で映像を楽しむ

「ワイヤレスHDMI WH01」は、その名の通りワイヤレスでHDMIの信号を転送する機器。BDやスマートフォン、デジカメなどの再生機器とテレビやディスプレイなどの間を無線でつなぎ、ケーブルレスの環境を構築できるスグレモノだ。もちろん映像だけでなく、音声などのデータも転送できるので、まさに“見えないHDMIケーブル”で機器同士を結んでいるわけだ。

設定は非常に簡単で、2ステップで終わる。受信機と表示機器をHDMIケーブルで接続し、送信機と再生機器を同じくHDMIケーブルで結ぶ。あとは、受信機と送信機のそれぞれにACアダプタを接続すればOKだ。受信機と送信機のサイズは、両方とも幅129×高さ43×奥行き55mmとコンパクト。テレビの横やテーブルの上に置いてもじゃまにならない。

今回は、iPad 2に「Apple Digital AVアダプタ」を接続し、ディスプレイに表示して操作した。

画面をピンチイン/アウト、スワイプしても、遅延は感じず、操作は非常に快適だった。写真やiPad 2で撮影した動画も、まったく問題なく再生する。サウンドに関しては、接続したディスプレイのスピーカーから流れるので、iPad 2のスピーカーよりも高音質を満喫できたほどだ。

iPad 2以外にも、iPhoneやPS3、デジカメなどで「ワイヤレスHDMI WH01」を試してみたが、いずれも不都合を感じることなく快適に操作できた。実は、この「ワイヤレスHDMI WH01」、送信機を増やして1対n(最大6台まで)で接続することもできるのだ。リビングのテーブルやソファなど、HDMI機器を利用するであろう場所に送信機を設置しておいて、再生したいコンテンツに合わせて機器を使える便利さがある。

●拡張性は○、セキュリティも万全

「ワイヤレスHDMI WH01」は、WirelessHDコンソーシアムが策定した映像・音声データの無線伝送規格「WirelessHD」に対応している。最大のデータ転送レートは、1秒間に4GB。BDビデオの最大データ転送レートは1秒あたり54MBなので、フルHDの高画質の映像コンテンツも問題なくワイヤレスで送信できる計算だ。最大伝送距離はおよそ10m。一般的な家庭のリビングなどで利用するのなら、問題ない転送距離である。電波の周波数は60GHz帯で、Wi-FiやBluetoothとも干渉しにくい。

ワイヤレスでデータを送信するとなると、セキュリティに不安を覚える人もいるだろう。「ワイヤレスHDMI WH01」は、著作権保護技術のHDCPに対応している。BDや地デジ放送を録画した番組などが視聴できるのだ。ただしこの場合、映像を表示する機器もHDCPに対応している必要があるので覚えておこう。

●「安さ」も大きな魅力

価格も、「ワイヤレスHDMI WH01」の魅力の一つ。価格はオープンだが、「SoftBank SELECTIONオンラインショップ」での販売価格は1万9800円。なんと2万円弱で買えるのだ。他社の同規格の製品と比べて2分の1以下の価格で、しかも簡単・便利なら、「とりあえず買っておこうかな」という気分になる。少なくとも、私はそうなった。

「タブレット端末をテレビの大画面で操作したい」「デジカメで撮影した写真をみんなで楽しみたい」といった用途に適した「ワイヤレスHDMI WH01」。便利で、しかも価格が安くて手軽に購入できる「ワイヤレスHDMI WH01」を、ぜひとも体験してほしい。使ったら、きっとやみつきになる。(フリーライター・星政明)