小栗旬 (撮影:星野洋介) 小栗旬 (撮影:星野洋介)

映像においても舞台においても、情熱を持って疾走するイメージが強く浮かび上がる人気俳優、小栗旬。2年ぶりの舞台となる『あかいくらやみ』(東京と大阪で5月に上演)で、作・演出の長塚圭史と待望の初顔合わせが実現することとなった。昨年末に30歳を迎え、新たな表現を生み出そうとしている小栗に話を訊いた。

『あかいくらやみ~天狗党幻譚~』チケット情報

『あかいくらやみ』は山田風太郎が著した歴史小説『魔群の通過』を原作に、長塚が新たに書き下ろすもの。維新前夜、尊皇攘夷の志を胸に決起し、京を目指した水戸藩・天狗党。その残党による復讐集団“さいみ党”を中心に据え、人間の心の闇に迫る。長塚にとっては7年ぶりの時代劇だ。

すでに小説と台本の一部を読んだという小栗はこう話す。「幕末の時代は好きですね。時代が大きく変わろうとしている流れの中に、とてつもないエネルギーを持った日本人がいっぱい出て来るから。ただ天狗党(水戸藩の尊王攘夷派)に関してはまったく知らなかったので、ちょっと衝撃でした。台本の前半部分を読んだんですが、僕が演じるのは天狗党の残党による復讐集団“さいみ党”の世界に巻き込まれていく青年で、どうやらずっと舞台上にいてその時代をみつめていくキャラクターなんだろうなと。150年くらい前の話だけれど、今を生きている自分たちを震撼させる舞台になってほしいと思っているし、そんな作品に関われることが嬉しい。圭史さんが、最近の日本の状況に対して思うことを取り入れながら作っているんだなという感じを受けましたね」。

長塚の主宰する演劇プロデュースユニット・阿佐ヶ谷スパイダースへの出演を熱望していたという小栗は「圭史さんには出会った頃から“出してください”という話をしていたので、今回は本当に願ったり叶ったりなんです」と嬉しそうに笑う。「やっと一緒に仕事ができますけど、圭史さんは厳しいし、ストレートな人ですからね。“旬と一緒にやって、今後もやりたいと思ったら俺は何回も呼ぶけど、違うなと思ったらもう呼ばないから”と言われました。それも面白いなと」。

取材:上野紀子

なお、小栗旬インタビューの全文はチケットぴあ「今週のこの人」コーナーに掲載。

公演は5月5日(日・祝)から26日(日)まで、東京・ シアターコクーン、5月30日(木) から6月2日(日)まで 大阪・森ノ宮ピロティホールにて。チケットは、東京公演分は3月16日(土)10時より2階A席の追加席を発売、大阪公演分は3月31日(日)10時より一般発売を開始する。

ヘアメイク:須田理恵(NU YARD)
スタイリスト:honmaru
【衣裳協力】
NEPENTHES:03-3400-7227