左から、吉川友、鳳蘭、市村正親、水夏希、大塚千弘 左から、吉川友、鳳蘭、市村正親、水夏希、大塚千弘

市村正親が主演するミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』が3月5日、東京・日生劇場にて開幕する。初日に先立ち3月4日、市村をはじめ鳳蘭、水夏希、大塚千弘、吉川友ら出演者が公演に向けて意気込みを語った。

『屋根の上のヴァイオリン弾き』チケット情報

『屋根の上のヴァイオリン弾き』は1905年のロシアの寒村を舞台に、そこに住むユダヤ人の一家の姿を描いたもの。信心深く、妻に頭のあがらない主人公テヴィエは、5人の娘を育て、貧しいながら幸せに暮らしている。「しきたり」を大事にするテヴィエだが、上から3人の娘たちは彼の考えとは相容れない恋愛を次々としていき……。娘に幸せな道を歩んでほしいと願う親心と、自分の道を歩みたいとする子ども、という世代間の行き違いと、それでも通じ合う親子の情は普遍的な物語として愛され続け、1967年の日本初演から45年上演を繰り返すヒット作となっている。

森繁久彌、西田敏行と引き継がれてきたテヴィエ役を2004年から演じているのは市村正親。「稽古中も、スタッフの方が目頭を押さえたりしていた。僕らもいい話に出演しているなとつくづく感じています。余計なことをやらずに一生懸命に役を生きれば、『屋根の上のヴァイオリン弾き』の感動は絶対に伝えられると安心してやっています」と作品の魅力を語った。また、妻のゴールデ役は、市村に「最強の女房」と言わしめた鳳蘭が2009年公演に続き務める。「(市村に)一生懸命ついていっています。お芝居も盗ませていただいています」と話す鳳に、市村が「ツレちゃん(鳳の愛称)、昔も今も、美しさは変わらないね~」と賞賛を贈るなど、仲良し夫婦ぶりをアピールしていた。

長女、次女、三女はそれぞれ水夏希、大塚千弘、吉川友が初出演。「毎日同じこをとやっているはずなのに、毎日お稽古場で見ながら泣いたり笑ったりして、この作品の魅力を感じていました。ひと言ひと言が現れては消える一期一会。その素晴らしさを心をこめてお届けしたい」(水)、「テヴィエ家の一員になれて本当に幸せ。自分が出ていないシーンは一観客になって観てしまうくらいに素敵な作品なので、ぜひ皆さんにも見ていただきたい」(大塚)、「記者会見では親のありがたみがまだわからないと言ったのですが(笑)、今回テヴィエ家の一員になれて、ありがたみがわかってきました」(吉川)と三人三様の感想を口にした。個性的な3人の娘を前に市村も「本当に3人ともユニーク。全部相手にしなきゃいけないから、あたふたしてますよ!」と笑顔で話していた。

公演は3月29日(金)まで、同劇場にて。その後4月6日(土)・7日(日)に愛知・刈谷市総合文化センター 大ホール、4月10日(水)~14日(日) に大阪・イオン化粧品 シアターBRAVA!にて上演。チケットはいずれも発売中。