左から、龍真咲、愛加あゆ、壮一帆、柚希礼音、凰稀かなめ 左から、龍真咲、愛加あゆ、壮一帆、柚希礼音、凰稀かなめ

創立99周年を迎えている宝塚歌劇団が、100周年へ向けたカウントダウンイヤーに名作『ベルサイユのばら』を2組で連続上演する。現在、東京宝塚劇場で月組が〈オスカルとアンドレ編〉を公演中だが、4月からは雪組が〈フェルゼン編〉を上演。宝塚歌劇の代名詞とも言える名作の登板にただでさえ注目が集まっているが、さらに今回は壮一帆、愛加あゆの新トップコンビお披露目でもあり、話題性は抜群。その『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』制作発表が3月4日、都内にて行われた。

宝塚歌劇雪組『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』チケット情報

作品は池田理代子による人気漫画が原作で、宝塚歌劇団は1974年の初舞台化以来、多彩な視点から数々のバージョンで上演を繰り返している。今回雪組が上演するのは、フランス革命へと向かう時代の中で、王妃マリー・アントワネットと、スウェーデン貴族フェルゼンの許されざる愛を主軸にした物語だ。1996年に宝塚で初舞台を踏んだ壮は、これまでに実に5回、この『ベルサイユのばら』に出演しており、今回が6回目。その分思い入れも強いようで「長年にわたり上演されてきた『ベルサイユのばら』、先輩たちが築き上げてこられた伝統をしっかり受け継ぎ、次の世代にしっかり残していけるように、私なりの新しい風を吹き込むことができれば」と意気込みを話し、また「『ベルサイユのばら』は、宝塚に入ったなら必ず全員が経験した方がいいと思っている。その作品に6度も出させていただくのはプレッシャーでもありますが、新たなエネルギーがうちからわいてくるような気持ちでいっぱいです。雪組の皆もすでにエンジンがかかっているので、(現在好評を博している)月組公演以上のものを雪組で作り上げていきたい」と力強く語った。

また、その名作を歌劇団全体で盛り上げるように、星組の柚希礼音、宙組の凰稀かなめ、月組の龍真咲と3人のトップスターがオスカル役(凰稀)、アンドレ役(柚希、龍)で特別出演(限定日程/兵庫公演のみ)するのも話題。「アンドレ役は3回目。今の自分が感じるアンドレを演じたい」(柚希)、「宝塚に入ったら絶対に演じてみたい役、オスカルに挑戦できることが本当に嬉しい」(凰稀)、「大好きな作品に1年に2度も出演できて嬉しい。新作に挑むという気持ちを忘れずに精一杯取り組みたい」(龍)とそれぞれ意気込みを話した。またこの特別出演に関して、脚本・演出を務める植田紳爾は「豪華な3人のトップが出てくれる『ベルばら』と壮を中心とした雪組のみの『ベルばら』は作り上げる形がぜんぜん違う。特別バージョンではオスカルとアンドレのシーンをじっくり描き、雪組バージョンでは壮のための新しい場面を作りたい。(脚本が異なる)ふたつのパターンを同じ公演でやります。こんなことは宝塚では初めてではないか」と今回の上演に際しての構想を明かした。初演から40年近くたってもなお進化し続ける『ベルサイユのばら』に注目したい。

公演は4月19日(金)から5月27日(月)に兵庫・宝塚大劇場、6月14日(金)から7月21日(日)に東京宝塚劇場にて上演される。チケットは兵庫公演が3月16日(土)、東京公演が5月12日(日)に一般発売開始。