ピエタリ・インキネン (c)三好英輔 ピエタリ・インキネン (c)三好英輔

日本フィルハーモニー交響楽団が、フィンランドの国民的作曲家シベリウスの交響曲全曲演奏会を12年ぶりに実施。同楽団の現首席客演指揮者でフィンランド出身のピエタリ・インキネン指揮のもと、3月から4月にかけて全6公演を開催する。

「日本フィルハーモニー交響楽団 ピエタリ・インキネンのシベリウス・チクルス」の公演情報

日本国内におけるシベリウス演奏史において、多大な功績を残してきた日本フィル。その歴史は、シベリウスが亡くなった1957年、同楽団の創設者でフィンランド人を母に持つ渡邉曉雄の指揮により、第1回定期演奏会で交響曲第2番を演奏したところまで遡る。その後も渡邉曉雄とともに、1961年には世界初ステレオ録音、1981年には世界初デジタル録音によるシベリウス交響曲全集を発売。さらに同年、楽団創立25周年を記念して交響曲全曲演奏会も開催。渡邉曉雄の指導のもと、長年にわたりシベリウスや北欧音楽のエッセンスを脈々と受け継いできた。

その歴史に新たな息吹を吹き込んだのが、フィンランドの隣国、エストニアが誇る大指揮者ネーメ・ヤルヴィだ。日本フィルの客員首席指揮者であり、シベリウス作品演奏において世界的な評価を得る巨匠とともに、2001年に3度目のシベリウス・チクルスを実施。楽団の創立45周年を象徴したプロジェクトは大成功を収めた。

それから12年、今回新たな歴史を刻むのが、名門シベリウス音楽院出身のフィンランドの俊英指揮者、ピエタリ・インキネンだ。2009年より日本フィルの首席客演指揮者を務めており、マーラーの交響曲などで巧みな音楽作りを披露してファンの熱い支持を獲得。また、彼は2008年から音楽監督を務めるニュージーランド交響楽団とともにシベリウスの交響曲全集を録音。透明感あふれるオーケストラの響き、湧き上がる感情の迸り、北欧の大自然を感じさせる壮大な演奏表現で、これまでの巨匠たちの名録音に匹敵すると高い評価を得ている。フィンランドが誇る俊英が日本フィルとコンビを組んで3年半、満を持して挑むシベリウスには期待せずにはいられない。

「日本フィルハーモニー交響楽団 ピエタリ・インキネンのシベリウス・チクルス」は、3月15日(金)のサントリーホールを皮切りに全6公演を開催。チケットは発売中。

■日本フィルハーモニー交響楽団 ピエタリ・インキネンのシベリウス・チクルス
【I】
3月15日(金)19時開演 サントリーホール
3月16日(土)14時開演 サントリーホール
シベリウス:交響曲第1番、交響曲第5番
【II】
4月19日(金)19時開演 サントリーホール
4月20日(土)18時開演 横浜みなとみらいホール
シベリウス:交響曲第4番、交響曲第2番
【III】
4月26日(金)19時開演 サントリーホール
4月27日(土)14時開演 サントリーホール
シベリウス:交響曲第3番、交響曲第6番、交響曲第7番