4: 旬の食べ物を取り入れる

今日ご紹介する稲垣えみ子さんの『もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓』は、料理本やサイトで見られるオシャレなごはんとは無縁の本です。

いわばとにかくシンプルな一冊。食に対する姿勢には子育てママも見習いたいものがあります。

実用に徹していて、それでいて素材の美味しさが伝わってくる、レシピともいえない文章には味がありますし、なにより「作りおき不要、準備は10分」と謳いつつ、「1食200円」と、コスパも最高なところもオススメです。

たとえば、旬のものを食べるべし、と稲垣さんは書いています。なぜなら旬のものは美味しく、かつ値段も安いから、というのがその理由です。ついでに子どもに野菜の旬まで教えられて、いいとこづくめですね。

ママ自身も、食べ物には旬がある、ということは、頭ではわかっていても、実際に食事を作るときには忘れがちな人は多いのではないでしょうか。

スーパーには一年中ナスが売られていますが、ナスは本来夏に食べるもの。マクロビオティックでは陰性の強い野菜の代表とされ、暑い夏に食べることで、身体を冷やす効果があるとされます。つまり、冬に食べるには適した野菜ではないのです。

5: シンプルを意識すれば献立作りがグッと楽に!

子育てに追われながら、毎日の献立を考えることは、時に非常にストレスを感じるものです。

そもそもなぜ毎日献立を変えなければいけないのでしょうか。稲垣さんの日々の食卓の基本は「メシ、汁、漬物」なのだそう。

レシピ本を閉じ、コメを炊こう、と稲垣さんはススメます。ここでのポイントは、炊飯器ではなく、鍋で炊くことです。

おそらく多くの子どもが、炊飯器以外で炊かれたご飯をあまり食べたことがないのではないかと思います。鍋でお米なんか炊いたことないわ、というママも同じくらいいるでしょう。

大丈夫、稲垣さんの本のゆる〜い指示に従って炊けば、炊けます!

6: 味噌汁や漬物も簡単に!

味噌汁を作り慣れていない人に味噌汁作りのハードルが高いのは、おそらく「ダシを取らないといけない」という思い込みでしょう。稲垣さんもそうだったと書いています。

ところが、野菜やきのこからもダシは出ます。さらに味噌汁をいい味にするには、半日ほど日の当たる場所で天日干しした「干し野菜」を具にするとよいそう。

この「干し野菜」にはメリットが二つあります。

一つは、すでに干されているため、調理が半分済んでいること。もう一つは、野菜は干すと味がギュッと濃縮されること、なのだそうです。特にエノキが絶品なのだとか。

この干し野菜方式を取り入れれば、野菜を買ったものの、冷蔵庫に入れっぱなしにしてダメにしてしまうことも減らせそうです。

漬物は、習慣がないとチャレンジが難しそうにみえますが、失礼ながら、決してマメそうには見えない元新聞社勤務の稲垣さんがたのしそうに糠漬けや白菜漬けをされている描写を読むと、自分にもできるかも、と思えてくるものです。

ところで、筆者のよく作る漬物もどきは、大根の即席漬けです。

大根をイチョウ切りにしたものを平たいタッパーなどに入れ、塩少々、砂糖は塩より少し多めにし、その上から酢を注ぎます。そして重しをしたら、半日冷蔵庫で寝かせます。すべての大根が液体部分に浸かっていることが望ましいので、そこだけ注意してください。朝作って、夕方には食べられます。

酸っぱいのが好きな子どもには止まらない一品になるでしょう。ちなみにそれはうちの娘のことですが、先日、お友達にもおやつ代わりに出してみたら、娘と二人で競争のようになって食べていました。

7: 調味料は最小限にする

稲垣さんはさらに、究極的には調味料も「塩・醤油・味噌」、それにせいぜい「酢」で事足りる、と言っています。調味料を減らすことで、必要な調味料だけはランクが上のものを選ぶことも出来るでしょうし、これは目からうろこでした。

びっくりされる方も多いかと思いますが、稲垣さんの提案する調味料には砂糖が入っていないのです。

砂糖を使わないことで、食べ物の甘味に敏感になったという稲垣さんがオススメするのは、大豆の炊き込みご飯だそう。大豆の代わりに小豆を使ったら、さらに甘味が増しそうですね。

いかがでしたでしょうか。

言うまでもないことですが、食事はエサではなく、活動の源になるエネルギー源です。少しでも楽しく、ありがたく、いただけるといいですよね。

なによりママの食卓での笑顔が増えれば、子どももうれしいに決まっています。味のわかる子どもになるオマケまでついてくるのですから、ぜひシンプル食生活、始めてみてください。

ただし、旦那さんや年齢の上のきょうだいには物足りない場合があるので、おかずを一品増やすなどして対応してあげてくださいね!