『フライト』(C)2012 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

デンゼル・ワシントンとロバート・ゼメキス監督がタッグを組んだ映画『フライト』が公開1週目の興収ランキングで首位を獲得し、上映後のアンケートやレビューでも好評を博している。本作を語る人が多く使うキーワードは“予想外”だ。

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本作は、高度3万フィートからの緊急着陸を成功させ、多くの乗客を救い、一躍国民的なヒーローとなるも、ある疑惑によって一瞬にして非難にさらされることになってしまった機長の隠された真実を描いている。

映画の主人公ウィトカーは、圧倒的な飛行テクニックを誇る名パイロットでありながら、性格に難があり、家族関係は崩壊し、欠点の多い男だ。しかし映画が進むにつれ、彼にかけられた疑惑の裏に潜んでいた真実が次第に明らかになっていき、ウィトカー自身も事件を通して自らの過去に向き合い、苦しみ、やがて“重要な決断”をくだす。

公開前に実施されたモニター試写会のアンケートでも「想像していた映画とまったく違って驚いた」という声が半数以上をしめ、映画を見ていく中で主人公ウィトカーに対する印象が二転三転したと回答する観客が多数いたようだ。しかし最終的には「最後の最後まで観て、心から感動することができた」「映画の途中まではデンゼル・ワシントンが嫌なヤツにしか見えなかったけど、ラストの告白で涙があふれた」「主人公の危うさにハラハラさせられ、最後には感動。まったく先が読めない映画だった」などの声が寄せられている。

映画には様々なジャンルやドラマがあり、善人が最初から善人で物語を経ても善人のまま、という物語もあれば、登場人物が事件や出来事、冒険を通して変化を遂げていくドラマもある。映画『フライト』は主人公の変化や語られていなかった側面を観客が見つめ、発見していくタイプの映画で、じっくりとスクリーンに向き合って作品を楽しみたい観客の心をしっかりと捉えているようだ。

『フライト』
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