本日公開。サム・ライミ監督が語るファンタジー大作『オズ はじまりの戦い』

2013.3.8 14:44配信
『オズ はじまりの戦い』を手がけたサム・ライミ監督

『スパイダーマン』トリロジーを手がけたサム・ライミ監督と『アリス・イン・ワンダーランド』の製作者が作りあげたファンタジー大作『オズ はじまりの戦い』が公開されている。本作はデジタル技術と3D映像を駆使した作品だが、その根底には映画人の“手作り”に対する強いこだわりが息づいている。映画ファンにこそじっくりと観てほしい本作について、ライミ監督に語ってもらった。

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本作は、カンザスで活動する冴えない奇術師のオズ(ジェームズ・フランコ)が竜巻に飛ばされて魔法の国に迷い込み、同じ名前を持つ伝説の魔法使いと間違われてしまったことから、国の運命をかけた壮大な戦いに巻き込まれていく様を描く。

本作にはCG技術で生み出されたキャラクターや映像が多く登場する。しかしライミ監督は、昔からある映画本来の魅力にこだわった。例えば本作はモノクロの4:3の画面比で始まるが、やがて映像がカラーになり、横長のスコープサイズになり、ある場面では1940年代の外国映画のような色鮮やかなテクニカラー調で、ある場面ではCGの栄える現代的な画質で場面が展開する。ライミ監督は「そのことは撮影監督と最初に決めたコンセプトでした。オズが最初に魔法の世界にやってきた場面ではテクニカラーの鮮やかな色彩で、エメラルド・シティはシャープで現代的なルックに、グリンダの王国はパステルを基調にパールの光沢がでるようにライティングしました。映像が場面を特徴づけるという効果も持たせたかったのです」。ちなみに撮影監督を務めたのは、デイヴィッド・リンチ作品などで知られる名手ピーター・デミング。映像の色調と質感に強いこだわりを持つ才人だ。さらにデザイン・チームYU+COが、ゾエトロープや覗きカラクリ、短編無声映画をモチーフにしたオープニング映像を制作。本作を観るだけで“映像の映画史”がたどれるようだ。

さらにライミ監督は、劇中に登場する羽の生えた猿のフィンリーや、愛らしい陶器の少女を描く際にも、手描きアニメや操り人形など、昔ながらの表現手法を活用することにこだわった。「最近ではあればモーションキャプチャーを使うでしょう。でも私はそれが絶対にイヤでした。だからまず俳優に声の演技をしてもらって、その場面を撮影し、彼らの動きや表情を参照しながらアニメーターが手作業で映像を作り上げていきました」。他にも昔ながらの映像トリックや撮影技法が随所に登場する。「人間が手を動かして映像を作り、昔からある撮影手法を使って観客を魅了することは、この映画を作る上でとても意識したことですし、強いこだわりがあります」。

最新のデジタル3Dを駆使しながら、その奥には人間の知恵と工夫と想像力が息づいている。これは手品(マジック)しか取り柄のない平凡な男オズが、魔法(マジック)の世界で活躍し、偉大な人物になっていく物語を語る上で外せないポイントになっているのではないだろうか。

『オズ はじまりの戦い』
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