完全自動運転が可能なフォルクスワーゲンのコンセプトカー「I.D.BUZZ」

2年に1度の車の見本市「第45回東京モーターショー2017」が11月5日、10日間の会期を終えて閉幕した。累計来場者は77万1200人で、2015年の前回比でおよそ4万人減と2回連続で減少した。しかし、前回は10%減だったのに対し、今回は5.1%減。マイナスには変わりないが、来場者減には歯止めがかかりそうな情勢だ。車離れが叫ばれる中、電気自動車と自動運転車への期待が高まっているからだ。

自動運転中に何をする?

今回は、自動運転はあたりまえで、その先を見据えた展示も目を引いた。フォルクスワーゲンのコンセプトカー「I.D.BUZZ」は、移動する家という「モバイルホーム」を標榜する完全自動運転車だ。

メルセデスの「smart vision EQ fortwo」はハンドルもない完全自動運転車で、カーシェアリングでの利用を視野に入れたコンパクトカーのコンセプトを示した。自動運転で暇になったドライバーに走行中エクササイズをしてもらおうという、今仙電機製作所の「自由シート」といったユニークな展示も目を引いた。

車の運転から解放されたら何をしたいか? 損保ジャパンが2月に実施した調査結果が興味深い。年代別でもっと多かったのが「景色を眺める」。次いで「同乗者と会話をする」「飲食をする」など。一方で、運転中にしたいことはないとの回答も2~3割程度あった。

自動運転はまだリアリティが薄いのかもしれない。しかし、車内で空いた時間を埋める製品は大きな伸びが期待できそうだ。

※『BCN RETAIL REVIEW』2017年12月号から転載