■レッド総帥、亀仙人、ギニュー隊長も独自のルールがあり、面白そう

 

ドラゴンボール初期の敵役としては、レッドリボン軍のレッド総帥も見逃せない。巨大組織を統括しながら、兵器の開発体制も整えており、心酔している部下も多かった。性格はさておき、実行力はなかなかのものだ。

 

また、亀仙流の師範で、悟空やクリリンに戦いのイロハを教えた亀仙人に惹かれる人も多いだろう。本当の実力をひけらかさず、おちゃらけながらも、きちんと人を導いていく。 “部下”たちは世界を何度も救っており、実績は文句ナシだ。

 


おふざけや情けないシーンがファンの記憶に残っているフリーザの配下、「ギニュー特戦隊」のギニュー隊長も、ベンチャー企業の社長だったら面白そうだ。宇宙のエリート(とされるメンバー)におかしなファイティングポーズさせ、組織の一体感を醸成。実際、プライドの高いエリート戦士たちも、集合すると楽しそうにしている。

Z戦士たちに隊員を倒されれば、人数が足りないと「ポーズが決まらない」と激怒するアツい面もあり、また「戦闘の順番をジャンケンで決める」などの独自のルールを採用しながら、フリーザの信用を勝ち得ているのもスゴい。

 

敵にも味方にも、興味深いリーダーが多数登場するドラゴンボールだが、忘れてはいけないのは、やはりわれらが孫悟空だろう。底抜けの明るさと優しさ、圧倒的な実力。抜けているところはあるけれど、自然と人が付いていきたくなるような人間的魅力を備えているのが、伝説的コミックの主人公として今も愛され続けるゆえんだ。

あらゆる人の応援を背に受け、フルパワーの「元気玉」で大きな問題を解決していく悟空。一般的な“アタマのよさ”はさておき、会社のリーダー=上司というより、国のリーダー=政治家に向いているかも?

さて、今回の劇場版『ドラゴンボールZ 神と神』の公開を記念して、スカパー!の『フジテレビTWO ドラマ・アニメ』『東映チャンネル』『アニマックス』では、劇場版13作品、テレビスペシャル2作品のほか、テレビシリーズを特別編成。最新作をより楽しむため、おさらいの意味でもチェックしておきたいところだが、「自分がこの組織にいたらどうだろう」「このリーダーにはついていきたい/ついていきたくない」と考えながら過去の作品を観てみると、また新たな発見がありそうだ。ふとした会話や行動にも注目して、自分が求める理想のリーダー像を見つけてみては?

春だ!休みだ!!アニメを見よう!!!

3、4月のスカパーでは新作劇場版の公開にあわせて、『ドラゴンボールZ』ほか、人気アニメの劇場版を多数放送。映画を見に行く前に、スカパー!で過去作を予習しよう。

ドラゴンボールZまつり 3/1(金)~31(日)
詳細は
コチラ![http://www.skyperfectv.co.jp/ts/anime1303/]
  
(C)バードスタジオ/集英社  (C)「2013ドラゴンボール」製作委員会


 

はしかわ・よしひろ 1981年、神奈川県生まれ。編集プロダクションblueprint所属のライター、編集者。ビジネス・ネットサービス・グルメ・映画・音楽・コミック・ゲーム・スポーツなど、幅広い分野で取材・執筆を担当。構成を担当した書籍に『まな板の上の鯉、正論を吐く』(堀江貴文/洋泉社)、『伝説になった男~三沢光晴という人~』(徳光正行/幻冬舎)など。