おっサニー軍団と沖田修一監督

高良健吾、吉高由里子が出演する映画『横道世之介』のトークイベントが16日と17日に都内の映画館で行われ、沖田修一監督と本作を愛するゲスト陣が登壇し、作品について熱く語り合った。

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本作は、1980年代を舞台に、上京したての大学生・横道世之介(高良)と、恋人で社長令嬢の与謝野祥子(吉高)ら若者たちの人生を描いた群像劇。『南極料理人』『キツツキと雨』の沖田監督が高良と4度目のタッグを組んだ最新作だ。

イベントは両日とも満員で、16日にはUSTREAM番組“WOWOWぷらすと”内で結成された、“おっサニー軍団”こと放送作家の松崎まこと、漫画家の花くまゆうさく、ライター・リサーチャーの松谷創一郎、時事芸人のプチ鹿島らがゲストで登場。彼らは本作の舞台背景に懐かしさを感じたようでプチ鹿島は「僕ら世代にとってあのシーンはたまらない。この作品は、懐かしさを感じるようなノスタルジックな作りにもできたと思うが、(80年代と対照的な)現代のシーンになるとハッとする」と絶賛。沖田監督は「世之介と同世代の人だけが懐かしむのではなく、どの世代でも共感できるようにすることを念頭に置いた」と明かした。また、花くまは「(世之介が)今生きていたら、彼は匿名でネットに書き込むような人間にはなっていない。気持ちのいいやつなんです。現代には世之介のような人がいない」と言い、松谷も「我々がこれからどう生きていくか、横道世之介の生き方から感じてもらえたら」と力説するなど、熱いトークが繰り広げられた。

翌17日には『ジョゼと虎と魚たち』や『のぼうの城』を手がけた犬童一心監督がゲストで登壇。両監督は自宅も近く、昨年放送されたTBS深夜ドラマ『イロドリヒムラ』でそれぞれ監督を務めた経験もあり、トークショーは和やかな雰囲気で進められた。犬童監督は「構成も素晴らしかった。そういう作品を自分でちゃんと書けて撮れる監督はうらやましい」と絶賛し、「生きているってことはバカバカしいことがたくさんある。『南極料理人』から一貫して、人を描く時にそこをちゃんと残しているからこそ人がリアルに生きていることが伝わってくる」と鋭い視点で沖田作品の魅力を語り、沖田監督は「例えば銀行強盗の話を撮ったとして、『犯人が何デニールのストッキングを被ればよいか』を考えるだろうし、そういうことまで撮っていきたいと思ってやってます」と作品づくりへのこだわりを語った。

『横道世之介』
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