柊子  撮影:石阪大輔 柊子  撮影:石阪大輔

Team337第2回公演『「ピンボケ探偵・村崎ピン子」~1枚の写真に秘められた謎~』が、12月8日(金)に開幕する。主演を務める柊子に話を聞いた。

舞台「ピンボケ探偵・村崎ピン子」チケット情報

本作は、主演の柊子や演出の嶋尾康史をはじめとするメンバーで毎年上演してきた舞台公演の19作目で、同メンバーが昨年旗揚げした「Team337」の第2回公演。柴田よしきによる小説『風味さんのカメラ日和』を原案にしたオリジナル作品で、個性的なメンバーが揃う探偵事務所を舞台にしたヒューマンコメディになるという。「私が演じる主人公・村崎ピン子はこの作品オリジナルのキャラクターですが、原案小説の登場人物がいろんなシーンに出てくる物語です。なので、小説を読んでから観ていただくとより楽しめますし、小説を読んでいない方も安心して観ていただけますよ」。写真がキーになる探偵もので「モニターを設置して、事件に関わる写真が客席からも大きく見えるようにしているので、お客様も一緒に謎解きしていただけると思います!」。

その中で、柊子が今回演じるのは、ちょっとドジでピント外れの探偵見習い・村崎ピン子。“ピンボケ探偵”と呼ばれるド天然キャラだ。「天然キャラは10代の頃はよく舞台で演じてたんですけど、NHK連続テレビ小説「まれ」(矢野陶子役)以降クールな役が増えていたので、ちょっと久しぶりです」と語る役柄は、さまざまな経験をした今だからこそ、昔は感じなかった難しさを感じているという。「“演じる”には多少なりとも計算をしなくちゃいけないと思うのですが、その計算が見えてしまうと“天然キャラ”が愛すべきキャラクターではなくなる。そういうことは昔は考えていなかったなと思います」と、ひとつ深まった“天然キャラ”が見られそうだ。演出の嶋尾とは長い付き合いだが「今回、ムチャブリが多いんですよ。だからなんか稽古場でひとりでスベッてることが多くて(笑)。嶋尾さんしか笑ってないときもあって、ちょっと恥ずかしいです(笑)」。

また、先日『オール讀物』(12月号)で初の小説を発表した柊子。この経験が芝居にも反映されているという。「台本の読み方が変わりました。実際に自分が小説を書いたことで、ひとつ台詞が生み出される背景に、本当にたくさんの感情があるということがよく分かって。演じるときにはそこをちゃんと表現しなきゃいけないのだと改めて感じました」。

柊子が「ここが原点。Team337が大きくなるのが一番の夢だから、地道にコツコツやっていきたいです」と語る公演は、12月8日(金)から10日(日)まで大阪・スタジオACT 、1月10日(水)から14日(日)まで東京・赤坂RED/THEATERにて。

取材・文:中川實穗