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アクション大作『ジャックと天空の巨人』が22日(金)から日本公開される前に、ブライアン・シンガー監督がインタビューに応えた。『X-MEN』シリーズや『スーパーマン リターンズ』などVFXを多用する作品を多く手がけてきた監督だが、本作ではデジタル技術を駆使して観客を“作品世界に誘う”ことにこだわったようだ。

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本作は、何百年も人間界から遠ざけられるも、あるきっかけで再び人間の土地を手にしようと侵攻してくる強靭な巨人軍団と、若者ジャックをはじめとする人間たちのバトルを描いた超大作だ。

本作は誰もが知る“ジャックと豆の木”のエピソードを題材にしているが、シンガー監督は古き良きエピソードをあえて変えることにこだわったという。「ストーリーはオリジナルなものでなくてはならないと感じていた。豆の木を登っていったらその先には一体何があるのか、ワクワクしてもらいたいと思ったからね」。

映画に登場する巨人は単に“大きくて恐ろしいもの”ではなく、それぞれに個性があり、知恵があり、明確な意志をもって人間の前に立ちはだかる。そのため撮影現場では、俳優たちに細やかに指示を出して、人間と巨人の“ドラマ”を描く必要があった。「役者達にはプレビズ(撮影前にシーンのイメージを掴むために制作される簡易な映像)を使って、それぞれのキャラクターが見ているものを見せるんだ。その後、サイマルカム(CGキャラクターと背景を事前に録画しておき、現場でカメラ再生システムに送信するシステム)を用いて、撮影が始まる前にパフォーマンスキャプチャで巨人を作るんだ。そうするとそういうデータがすべてコンピュータに入っているので、現場でモニター上、巨人が見られるというわけだ」。俳優のイマジネーションを引き出し、巨人と“駆け引き”する人間を描いたことで、本作はこれまで以上に緊迫感のあるシーンを描くことに成功している。

シンガー監督がここまで面倒な手順を踏んで本作を制作した理由は、観客を作品世界にのめり込ませるためだ。「目の前で展開するアクションに共感して、それが個人の持つリアリティの法則の中に残らなければならない。『スター・ウォーズ』を参考にしているよ。オリジナルのスター・ウォーズは作品独自のリアリティを作ったと思う。そのリアリティに従ってシリーズができていったわけだ。それを裏切るようなことは決してせず、不要なものは付け加えたりしない。そういうことが結果的にストーリーに貢献し、エモーショナルなものとなったんだ」

本作は誰もが知るエピソードから生まれた新しい物語だ。そこにはこの映画の中だけの“リアリティ”があり、恐ろしい巨人たちと、まだ誰も味わったことのない“高度差1万メートル”のバトルが待ち構えている。

『ジャックと天空の巨人』
3月22日(金) 丸の内ルーブルほか全国ロードショー
※3D/2D 吹替え版同時公開