米苔目(ミータイムー)

 ふわふわとした不思議な食感と米の香りが病みつきになる『南環市場米苔目』の米苔目(乾麺=スープなしバージョン)

麺のような米のような、米でできた麺のような……米苔目は不思議な食べ物で、形容が難しい。

米粉でできた麺なので、いわゆるライスヌードルなのだが、トコロテンのような押し出し製法なので麺の断面が丸く、引っ張ったり、こねたりする麺と比べると密度が低くてふわふわ、もちもちしているのが米苔目の特徴だ。それでいて米が含まれる割合が高く、麺なのにふんわりとごはんの香りが漂う。

甘くしてスイーツとして食べることもあるのだが、一般には湯麺でいただく。米でできたやさしい炭水化物なので、朝ごはんとして親しまれている。

また、米苔目の店ではサイドメニューとして豚モツのスライスがあることが多い。湯通ししたあっさり味の豚モツに甘辛い醤油ダレをかけ、米苔目のおかずとしていただく。これが楽しめたら相当な台湾通だ。

南環市場米苔目(ナンホァンスーチャンミータイムー) ※店名はないので通称
台北市長順路5號 TEL:なし
6:00~14:00頃 不定休

 

牛腩湯(ニョウナンタン)

週に3~4日しか店を出さない気まぐれ主人の『牛腩湯』。淡白なスープは朝ごはんにぴったり。80元

幻の牛肉スープとも呼ぶべき朝ごはんがある。

艋舺の片隅に週の半分ほどだけ店を出す気まぐれな屋台だ。ご主人のその日の気分で店を出すので、開いていればラッキー。夜は賑やかな艋舺夜市がある場所に、朝の数時間だけひっそりと姿を現す牛バラ肉スープの屋台だ。

透明であっさりとしたスープには不思議なコクがあり、香りが上品。ゴロゴロと入った牛バラ肉はホロリと崩れるほど柔らかく、味もしみている。大根や人参といった野菜も入った、バランスのよい朝ごはん。

このスープを白いごはんとセットでいただく。まずはスープをひと口。次に肉をピリ辛の醤油ダレにつけてひと口。そして肉とごはんを一緒にひと口。それぞれに違った味わいを楽しめる、ぜいたくな朝ごはんだ。

 

牛腩湯(ニョウナンタン)
廣州街245號前 06:00~10:00頃(売り切れ次第終了) TEL:なし
不定休(週の半分は休み)

みつせ のりこ:90年代から台湾と関わり、台北で留学や就職、結婚や子育ても経験。現在は執筆や通訳、取材コーディネートの仕事で日本と台湾を往復している。著書に『台湾の人情食堂 こだわりグルメ旅』『美味しい台湾 食べ歩きの達人』『台湾縦断! 人情食堂と美景の旅』『台湾一周!!途中下車、美味しい旅』など。株式会社キーワード所属。