『パラノーマン ブライス・ホローの謎』メイキング映像より(C)2012 2012 LAIKA. Inc. All Rights Reserved.

29日(金)から日本公開されるアニメーション大作『パラノーマン ブライス・ホローの謎』の特別映像が公開された。本作の主人公ノーマンはイジメられっ子で、周囲から避けられている少年だが、映像の中でスタッフたちはノーマンに共感し、さらに彼を“ヒーロー”だと言う。その理由は何なのだろうか?

『パラノーマン ブライス・ホローの謎』特別映像

本作の舞台はタイトルにもなっているブライス・ホロー。何ということのない田舎町だが、この町では300年前に“魔女狩り”が行われていたらしい。映画は、なぜか死者の姿が見えるせいで家族を含め周りから変人扱いされ、集団に溶け込めないでいるノーマンが、町に迫った危機を救うために自らの能力を駆使しながら奔走する姿を描いている。

この映画を手がけたのは、『コララインとボタンの魔女』などをおくりだし、ハリウッド屈指の技術と芸術性を発揮している工房ライカ・エンターテインメント。このほど公開された映像は作品のメイキングの過程を間に挟みながら、ライカのスタッフたちが“自分の過去”についても振り返っている。様々なスタッフが言う。自分もノーマン少年と同じように集団に溶け込めず、周囲となじむことができず、孤独な想いをして育ってきた、と。しかし彼らの表情はなぜか笑顔だ。理由は“自分には夢中になれることがあった”から。本作でプロデューサーとリード・アニメーターを務めたトラヴィス・ナイトは「この映画で伝えたいのは、“周囲に溶け込まなくてもいい”ということなんだ。最高の素質というのはときに僕らを変でユニークにさせるものだからね」と言う。

本作の主人公ノーマンは周囲からバカにされてもイジメられても“死者が見える”という能力を絶対に否定しない。それこそがノーマンの個性であり、他の人には持てない才能だからだ。そしてライカのスタッフたちもまた、子供の頃に少しだけさみしい想いをしたが、得意なモノ作りの才能や、手先の器用さ、ストーリーテリングの巧さをスタジオに持ち寄って、映画を作り出している。あるスタッフは「僕らをはみ出し者にした才能のおかげで、特別なものを生み出すことができるのさ」と語る。ノーマン少年はライカのスタッフにとって単なる“映画の主人公”を超えた存在だ。

そんな彼らの熱い想いはキャラクターの動きや表情に注ぎ込まれており、人形を1コマずつ撮影して作り出されたノーマンの“演技”はこれまでのストップ・モーションアニメとは一線を画す“感情表現”を実現している。

『パラノーマン ブライス・ホローの謎』
3月29日(金)TOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー