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 スティーブン・スピルバーグ監督が、伝説のミュージカルを映画化した『ウエスト・サイド・ストーリー』が2月11日から公開される。シェークスピアの『ロミオとジュリオット』をモチーフにした本作は、社会の分断を乗り越えようとした“禁断の愛”の物語を、数々の名曲とダイナミックなダンスとともに描く。

 先日発表された第79回ゴールデングローブ賞では、作品賞を含む主要部門で3冠を獲得するなど、アカデミー賞の最有力候補としても注目されている。

 『E.T.』や『ジュラシック・パーク』シリーズ、『インディ・ジョーンズ』シリーズなど、数々の名作を手掛けてきたスピルバーグ監督だが、本作が初のミュージカル映画となった。そして、スピルバーグ監督が本作のヒロイン=マリア役に、3万人のオーディションから選んだのが、期待の新星レイチェル・ゼグラーだった。

 本作への出演前は、歌手、Youtuber とさまざまな活動を行っていた彼女は、自身のYouTube チャンネルでは「歌ってみた動画」「日常のブログ」などを配信しており、2018 年の12 月にTwitter に投稿したレディー・ガガ主演の『アリー/スター誕生』(18)の主題歌「Shallow」を歌った動画が驚異の1220万回再生(22年1月現在)を記録して話題となった。

 本作でヒロインのマリアに大抜てきされてハリウッド映画デビューを果たしたゼグラーは、先のゴールデングローブ賞では、最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル)を受賞し、今後も『Shazam! Fury of the Gods』(原題)、ディズニーの実写版『白雪姫』といった話題作への出演が予定されている。

 そんなゼグラーについて、スピルバーグ監督と、本作でマリアと禁断の恋に落ちるトニーを演じたアンセル・エルゴートは、彼女の魅力を、「誰にも表現できない抜群の歌唱力と演技力」だと口をそろえる。

 スピルバーグ監督は「彼女は僕がオーディションで見た2人目の候補だった。それ以降、1年の間にたくさんの候補者を見たけれど、誰も彼女のようには歌えなかったし、演技をすることもできなかった。彼女はマリアを演じるために生まれてきたんだ」と告白し、レイチェルの圧倒的な歌唱力と演技力を称賛した。

 エルゴートも「レイチェルはマリア役にぴったりだった。彼女はどんな歌でも楽々と歌える歌唱力と、表情豊かで、力強くて幅広い演技力を持っている。製作陣は彼女を見つけることができてとてもラッキーだった」と明かした。

 一方、レイチェル自身はマリア役について「私たちは、とても若くて、自分のこととなるとちょっと危なっかしいの。でも、彼女は自分の意見をはっきりと持っている。マリアのそういうところは大好きよ」と語った。

 マリアの兄がリーダーのプエルトリコ系移民の「シャークス」と、トニーが元リーダーだった「ジェッツ」という、対立するグループ間での“決して愛し合ってはいけない男女の切ないラブストーリー”が描かれる本作。果たしてマリアとトニーがたどる運命とは…。

 レイチェルの歌声が響き渡る「トゥナイト」と「サムウェア」は圧巻。ハリウッド映画初出演とは思えない彼女の抜群の歌と演技から目が離せない。

(構成・田中雄二)