――山と谷は、モーニング娘。というユニットにもあったと思います。この10年、コンスタントにいい活動を続けてきたなかでも、注目度は時期によって変わってきましたが、52枚目のシングル『Help me!!』がオリコンランキングで1位になるなど、いままた大きく盛り上がっています。この流れを、お二人はどう捉えていますか?

田中 単純に思うのは、ネットの力はスゴい、ということですね。いまは「モーニング娘。の曲を歌ってみました!」って、自分で動画を撮ってアップしている人たちが世界中にいるし、そこで注目してくれる人も多いんじゃないかなって。山あり谷ありのときは、いまほどネットが流行っていなかったりして。

道重 そうだね、確かに。あと、この2~3年で、AKB48さんをはじめ、アイドルブームが巻き起こっていることも、さゆみたちからしたらラッキーだと思う。特に、モーニング娘。は新人メンバーもたくさんいるから、「新人グループ特集」なんてくくりで9期、10期の新しいメンバーを取り上げてもらえることもあって。今年で10周年のさゆみやれいなもいれば、新人メンバーもいる。そういう幅広さが、モーニング娘。の魅力なのかな。常に新鮮!みたいな(笑)。

――だからこそ、大変な部分もある?

田中 (道重を見つめて)……そうやね(笑)。

道重 いっぱいあるね(笑)。サプライズで発表されることも多くて、気持ちがついていかないこともありました。最近は新メンバーが入ってきても「オッケー!」ってすんなり受け入れられるけれど、どう対応していいか、大変に思っていたこともあったなって。

田中 メンバーもですけど、スタッフさんも常に新しく変わっていくんですよね。だけん、10年間ずっと一緒にやってきた人って、さゆしかいないんです。二人の間では、話さなくても伝わることが、みんなにはなかなか伝わらんこともあって。10年間がんばってきて、一生懸命に考えた上での提案が、ただのわがままに見えようこともあるかもね。

道重 こんなこと話すの初めてだね(笑)。ちょっと愚痴っぽくなっちゃいましたけど、自分のためにわがままをいうことなんてないし、楽をしようなんて考えないで、やるときはしっかりやるんですよ。

田中 うん。それまでネガティブになって気持ちが落ちていたとしても、「本番、始まります!」って声がかかれば、さゆはさゆになる。

道重 れいなはれいなになるんだよね。自分でいうのもおかしいけれど、わたしたち、プロ意識かなり高くない?

田中 絶対そうだよね(笑)。嫌なことがあっても、ステージに出れば忘れちゃって、MCでニコニコ話せるし。オンオフの切り替えが、めっちゃうまい気がする。特に、さゆがリーダーになってからは、切り替えるなんて意識していないよね。

道重 それをこうやってネタにもできるしね(笑)。オンオフがしっかりあるのに、裏表がないのが、6期メンバーの強みなのかも。というより、二人の性格の問題かな。