創業以来50年、“行列ができる店”の元祖として伝説的な存在の「大勝軒」に迫るドキュメンタリー映画『ラーメンより大切なもの〜東池袋 大勝軒 50年の秘密〜』が劇場公開されることになり29日、都内で記者発表会見が行われた。
本作はフジテレビの「ザ・ノンフィクション」で過去3回(2002年、2005年、2011年)シリーズ放送され、絶大な反響を残したドキュメンタリー作品に新たな撮影シーンを加えた劇場版。東京・東池袋のラーメン屋「大勝軒」と、店主・山岸一雄の知られざる人生を、常連客、店員、弟子ら数々の証言から浮き彫りにし、ラーメン一筋に生きた“神様”の愛と感動のドラマを描き出す。
10年近く山岸さんを取材し続け、劇場版のメガホンも執る印南貴史監督は「映画化は感無量。ラーメン屋の話ではなく、普遍的な人間の愛の物語として形になった。ご本人に(映画化を)伝えたら、喜んでいました」とあいさつ。取材を始めた当初は、「山岸さんから『撮るものは何もないよ』と言われながら、何度もお店に通ってやっと撮影が始まった」といい、「ひとりの人間として素晴らしく、山岸さんの人柄にほれこんでしまった」と思いを語った。
会見同日、ラーメン好きで知られる俳優の谷原章介がナレーションを担当することが発表され、「東池袋の大勝軒といえば、僕らラーメンファンにとっては伝説のお店で、しかも今回、このラーメンの神様として知られる山岸さんの物語のナレーションをやらせていただくのは、これほど光栄なことはありません。ラーメンよりもあったかい、熱い山岸さんの人柄を感じてもらえると良いなと思います。この話は、実はラーメンの話だけではありません。おいしいラーメンの裏側にあった“山岸一雄”という人の人生と愛のお話なんです。ですから、男女、そしてお年寄りからお子さんまで問わず楽しめて、感動できる素敵な映画になっていると思います」とコメントを寄せた。
『ラーメンより大切なもの〜東池袋 大勝軒 50年の秘密〜』
6月8日(土)よりシネマサンシャイン池袋他全国順次ロードショー
取材・文:内田 涼