『パラノーマン ブライス・ホローの謎』(C)2012 2012 LAIKA. Inc. All Rights Reserved.

映画『パラノーマン ブライス・ホローの謎』が本日から公開されている。本作は、『コララインとボタンの魔女』を手がけたライカ・エンターテインメントが構想10年、制作期間3年を費やし、1コマずつ人形を動かして作り出したストップモーションアニメだが、公開前に観賞した観客からは「観る前と印象が変わった」という声が寄せられている。

『パラノーマン ブライス・ホローの謎』動画

物語の舞台は、300年前に“魔女狩り”が行われた町ブライス・ホロー。現在は穏やかな田舎町で魔女のイラストを看板やグッズにしている。しかし、町を驚かせる大事件が発生。死者と話のできる少年ノーマンが、封印を解かれた“魔女の呪い”の秘密に立ち向かう。

本作はアニメーションのクオリティの高さが評価され、アニメ界のアカデミー賞と称される“アニー賞”でも2部門を受賞している。しかし、観賞後のアンケートでは映像だけではなく“ストーリー”を高く評価する人が多いという。「最初は怖いだけの映画かと思っていたけど、笑いも涙もあった」「ストーリーが奥深かかった」「ジーンとくる場面があります。しっかりとしたヒューマンドラマでした」などの声があるそうで、愛らしいキャラクターが登場する作品だが30代以上の観客からの評価も高いという。

本作の主人公ノーマンは、死者の姿が見え、彼らと話ができることから周囲から浮いており、孤独を感じている少し“変わった”少年だ。しかし、そんな彼が“自分にしかない能力”を見つめなおし、町で暮らす人々を守ろうと奔走する姿は大きな共感を呼んでいる。映画はミステリータッチのドラマを描きながら、人がそれぞれの“違い”を認めてつながることの大切さや、“さみしさ”や“悲しみ”を前を向く力に変えようとする人々の姿が描かれており、今後も口コミなどで本作の魅力がさらに広がっていきそうだ。

『パラノーマン ブライス・ホローの謎』
3月29日(金)TOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー