クロージングセレモニーの様子

沖縄県宜野湾市の沖縄コンベンションセンターをメイン会場に開催された「第5回沖縄国際映画祭」が3月30日(土)に過去最多の動員人数42万2,000人を記録して閉幕した。クロージングセレモニーでは各部門のグランプリが発表されたほか、第6回目の日程も発表された。

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“Laugh & Peace”をテーマに映画上映だけでなく、お笑いや音楽イベントも行われた8日間。元AKB48の前田敦子ら豪華ゲストがレッドカーペットを歩く姿を一目見ようと5万3000人が来場した初日を皮切りに、期間中は家族や学生など数多くの人々で賑わった。とりわけ今年はメイン会場である沖縄コンベンションセンターでの上映がすべて無料になったため、ゲストによる舞台あいさつがない上映でも満席回が続出。沖縄出身の芸人・宮川たま子を筆頭に若手たちの一年間をかけた宣伝活動も報われ、過去最多となる動員人数を記録した。

また、同映画祭実行委員長の吉本興業の大崎洋代表取締役社長を筆頭に“すべてを自分たちで”プロデュースしていく精神の下、プロデューサーの奥山和由氏をリーダーに“クリエイターズ・ファクトリー”を新たに発足。次世代の映像業界を担っていく新人と才能を発掘・支援する本プロジェクトは、吉本興業の全面バックアップで映像作品を作る“人材”を作り出していくという。大崎社長は「5回目で、ようやく映画祭らしくなった」と自負しており、同映画祭特有の企画に今後も注目が集まりそうだ。

今年はコンペティション部門でジョエル・シュマッカー監督が審査委員長を務め、“Laugh部門 海人賞グランプリ”をジャッキー・チェン監督の『ライジング・ドラゴン』が受賞。“Peace部門 海人賞グランプリ“は台湾映画の『デビーの幸せな毎日』が、審査員特別賞“ゴールデン シーサー賞”はインド映画の『バルフィ!』が受賞するなど、国際色豊かな映画祭を印象付ける一方、「6回、10回と続けて、映画祭に来た子どもたちが働くようになった時、沖縄をエンタメの島にする!」(大崎社長)と地元密着型映画祭にすることも改めて宣言した。そして、2014年3月23(日)から30日(日)の8日間、第6回目の開催も正式決定した。“Laugh & Peace”の映画祭は、早くも次の開催に向かって走り出している。

文・写真:鴇田 崇