『桜、ふたたびの加奈子』(C)2013『桜、ふたたびの加奈子』製作委員会

広末涼子と稲垣吾郎が出演する映画『桜、ふたたびの加奈子』が6日(土)より公開される。1作ごとに女優として成長を続ける広末の演技は映画の作り手である監督たちからも高い評価を集めているようだ。

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本作で広末が演じるのは、小学校入学を前にした娘・加奈子を事故で亡くしてしまい、次第に精神のバランスを崩していく母親・容子。映画は、いなくなってしまった娘が“ここにいる”と思い込んでしまった容子と、そんな妻を献身的に支えようとする夫・信樹(稲垣)の姿と、夫婦に起こった奇跡を描いた感動作だ。

『恋愛寫眞〈レンアイシャシン〉』などで広末と仕事をしてきた堤幸彦監督は「感情表現、表情の細かさが“崇高”な域にまで達していらっしゃると感じました。それは観客の気持ちを捉えて離さず鷲掴みにします。見終わっても長く“コマ”が焼き付きます。凄いこと」と言い、『鍵泥棒のメソッド』で広末に多くの映画賞をもたらした内田けんじ監督は「母親を演じる広末涼子さんには、何か感情的で個人的な愛情ではない、普遍的で大きな“母性”そのものを強く感じました。だからこそ、この映画は悲しみよりもやさしさを、弱さよりも強さを、悲劇ではなく慈しみの物語としての感動を届けてくれるのだと思います」と話す。

『ゼロの焦点』で広末を起用した犬童一心監督は「広末涼子の顔が素晴らしい。それを抱えて生きて行くしかない人の顔になっていた。不謹慎かもしれないが、悲しさ故にその顔が美しい。ラストに向かい悲しみは増し、美しさが増す。それは大きなスクリーンで見る価値のある顔だ。だからスターの顔だ」と語る。その演技力の高さに、本作のメガホンをとった栗村実監督も絶大な信頼を寄せており「最初に見せてもらったお芝居があまりにもよかったために、芝居をじっくり見せたくなって、カメラワークを凝ったものからシンプルに急遽変えたシーンもあります」と振り返る。

愛らしく天真爛漫なイメージで登場し、年齢を重ねるごとに、多様な表情を見せ、女優として成長を続けてきた彼女が最新作『桜、ふたたびの加奈子』でどんな演技を見せてくれるのか気になるところだ。

『桜、ふたたびの加奈子』
4月6日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー