東京バレエ団(春の祭典) (c)Kiyonori Hasegawa 東京バレエ団(春の祭典) (c)Kiyonori Hasegawa

3月より4月中旬まで上野で開催中のクラシック音楽祭「東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2013-」で、ストラヴィンスキーの「春の祭典」初演100周年を記念した公演が開催される。

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2013-「東京春祭のStravinsky vol.2 ストラヴィンスキー・ザ・バレエ~ド・バナの《アポロ》、ベジャールの《春の祭典》」の公演情報

ディアギレフ率いるバレエ・リュスのためにストラヴィンスキーが作曲した「春の祭典」は、「火の鳥」「ペトルーシュカ」と並ぶストラヴィンスキー三大バレエ音楽のひとつ。1913年のパリでの初演は怪我人も出る大騒動となり、音楽史上最大の「スキャンダル」と称されるほどの賛否両論を巻き起こした。不協和音や変拍子、混合拍子が大々的に取り入られ、今日では20世紀音楽の嚆矢とみられている。

初演100周年を記念した今回のプロジェクトでは、20世紀後半のバレエに革命的変革をもたらした巨匠モーリス・ベジャールの振付作品を上演。担当するのは、生前のベジャールと密接な関係を築いていた東京バレエ団。英国の名匠ジェームズ・ジャッド指揮、東京都交響楽団の演奏とともに、作品への深い理解と愛情に基づいた感動的な舞台を見せてくれるはずだ。

「春の祭典」とのカップリングで上演されるのは、同じくストラヴィンスキーのバレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」。作曲者のキャリア最初期に生まれた「春の祭典」から15年後に書かれた本作は、弦楽合奏と群舞ともに小編成(今回はオーケストラ17名とダンサー5名)。100名超のオーケストラと大群舞による「春の祭典」との比較で、ストラヴィンスキーの音楽の多様性が浮き彫りとなるだろう。また注目の振付は、1980年代後半から90年代初頭までベジャールのバレエ団で活躍していたパトリック・ド・バナの新作。ベジャール振付の「春の祭典」との師弟の比較という側面からも興味深い舞台となりそうだ。

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2013-「東京春祭のStravinsky vol.2 ストラヴィンスキー・ザ・バレエ~ド・バナの《アポロ》、ベジャールの《春の祭典》」は、4月14日(日)に東京文化会館 大ホールで開催。チケットは発売中。