今後の海外戦略の方針を語るドンキホーテHDの大原社長

ドンキホーテホールディングスの海外事業持株会社Pan Pacific International Holdingsは12月1日、シンガポール中心部の商業施設「Orchard Central」内に「DON DON DONKI オーチャードセントラル店」をオープンした。グループとして初の東南アジア進出となる。

ドンキホーテホールディングスが初めて海外進出したのは2006年。THE DAI'EI(USA)を買収し、アメリカのハワイ州にドン・キホーテUSAを3店舗展開。13年にはカリフォルニア州とハワイ州で10店舗のスーパーマーケットを運営するマルカイコーポレーションを、17年9月にはハワイ州で24店舗のスーパーマーケットを展開するQSIを買収した。

シンガポールの出店が従来の海外戦略と異なるのは、現地法人のM&Aによる出店ではないことだ。「DON DON DONKI」は初となる直営での新業態店だ。ドンキが国内外で蓄積した業態開発や売り場づくりのノウハウを投入して、一から店舗を構築する新たな挑戦となる。

大原孝治 社長兼CEOは10月末にBCNの単独取材で「アジアは法整備の面で先進国を中心に出店していく。中国は出店するにしてもASEAN圏よりも後になるだろう」と今後の海外戦略についてコメントした。

東南アジアでは、すでにタイ・バンコクへの出店も決定している。タイはドン・キホーテが公表する国内のインバウンド関連のデータで、東南アジア諸国の中で客数・売上ともにトップで、親和性が高いと分析する。

現在、もっとも多くの店舗を構えるハワイについて大原社長は「縁があって意識せずハワイに店舗が広がっている。アジア系の住民が多いのでアメリカの中でも進出するにはリーズナブルだ」と回答した。(BCN・大蔵 大輔)