MUZAリニューアルオープン・コンサートより (c)堀田正矩 MUZAリニューアルオープン・コンサートより (c)堀田正矩

東日本大震災で天井仕上げ材などが落下し、多大な被害を受けたミューザ川崎シンフォニーホール(神奈川県川崎市)が、長きにわたる復旧工事期間を終え、4月7日にリニューアルオープン・コンサートを行った。

「ミューザ川崎」の公演情報

2011年10月から2012年12月まで行われた同ホールの復旧工事。吊り天井の耐震性向上をはじめとする安全性の確保、世界的に評価の高かった音響性能の復元に重点を置いて取り組まれた。ホールの形状や席数は震災以前と同様となっている。

リニューアルオープン・コンサートには、同ホールのフランチャイズオーケストラ、東京交響楽団と、音楽監督のユベール・スダーンが登場。プログラムは、スダーンが「ホールとオーケストラ、そして作曲家の偉大さを感じてもらうにはこの曲以外にない」と語るブルックナーの交響曲第9番とテ・デウムの2曲。これまで演奏会やCDで極めてクオリティの高いブルックナーを披露してきたスダーン&東響のコンビだが、もちろん今回の演奏も例外ではない。2004年のミューザ川崎オープン以来、ホールとともに国際レベルへと成長を遂げてきた彼らの万感の思いが込められた演奏に、ホール復活を待ちわびた満場のファンから温かい拍手が送られた。

また、マリス・ヤンソンスやサイモン・ラトルら世界的指揮者たちが絶賛を惜しまなかった音響も見事に復元。待望のホームタウン復活と音楽監督スダーンの任期ラストイヤーという節目を迎える東京交響楽団の演奏会をはじめ、夏恒例のオーケストラの祭典「フェスタサマーミューザ KAWASAKI」、秋には世界三大オーケストラ、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウの来日公演も控えるなど、ミューザ川崎シンフォニーホールの今後にもますます目が離せない。

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