映画『舟を編む』に出演している八千草薫と加藤剛(C)2013「舟を編む」製作委員会

松田龍平、宮崎あおい出演の映画『舟を編む』で、八千草薫と加藤剛が夫婦役で共演している。それぞれが多くの映画、ドラマに出演しているが、ふたりが共演するのは42年ぶりとなる。

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本作は、2012年本屋大賞第1位に輝いた三浦しをんの同名小説が原作。ある出版社の辞書編集部を舞台に、15年という歳月をかけて、言葉の海で“辞書=舟”を“編集する=編む”という果てしない作業に取り組み、新しい辞書を完成させようと奮闘する編集部員たちの姿を描いている。

本作で加藤が演じるのは、辞書作りひと筋の編集部員・松本で、八千草はその妻・千恵を演じている。ふたりはTVドラマ『張り込み』以来、42年ぶりの共演となったが、八千草は「同じ仕事をしているのに、それから一度もお会いしていなかったなと思って、『不思議ですね』って加藤さんとお話してたんです。ですけど、やっぱり、全然初めてお会いする方じゃないから、加藤さんがいらっしゃらない時でも、やっぱり私の胸の中には加藤さんへの想いがずっとあって、それはよかったなと思いますね」と振り返る。

映画は辞書作りの世界に飛び込んだ若者のドラマを主軸にしているが、自分の一生をかけてひとつの仕事にじっくりと取り組んできた松本、そして彼を支え続けてきた妻のドラマは、世代を超えて感動や共感を与えてくれる。加藤は「この映画は“仕事”という大きなテーマがありながら、“夫婦”や“友情”もテーマになっている。辞書を作る話ですがそのなかにひとつひとつの人生を感じました。 “愛”の映画だと思います。言葉に対して、人に対しての愛情を感じました。こういう映画が今の時代に必要なんじゃないかな。辞書を作るように、ゆっくりじっくり物事を見たり考えたり。普段何気なく使っている言葉に愛情や親しみ、大切さを感じました」と語る。

辞書作りに挑む者たちが一語一語に真摯に向き合うように、八千草と加藤もひとつひとつの役に真摯に向き合い、多くの観客の支持と信頼を集めてきた。本作は若い俳優も多く顔を揃えているが、キャスト、描かれる題材ともに世代を問わず支持を集めそうだ。

『舟を編む』
4月13日(土)丸の内ピカデリーほか全国公開