中町公祐(横浜F・マリノス)  (C)J.LEAGUE PHOTOS 中町公祐(横浜F・マリノス)  (C)J.LEAGUE PHOTOS

J1リーグ第6節では、ふたつのダービーマッチが組まれている。ひとつは清水エスパルス×ジュビロ磐田の静岡ダービー、もうひとつが本稿で紹介する横浜F・マリノス×川崎フロンターレのSKYシリーズ第3戦である(湘南ベルマーレ、川崎、横浜FMの頭文字を取ってSKY)。神奈川ダービーに臨む両軍は、対照的なスタートを切った。

横浜F・マリノス対川崎フロンターレ J1リーグ戦 チケット情報

ご存知、横浜FMはリーグ唯一の5戦5勝で首位を走る。しかも、17得点6失点という圧倒ぶりである。代名詞のカタイ守備は健在。中澤佑二&栗原勇蔵のセンターバックが強固な守備を支える。中町公祐&富澤清太郎のボランチが相手のボランチを潰しに行く、樋口靖洋監督のスタイルも浸透してきた。

守備だけではない。FW・マルキーニョスは6得点と絶好調。6月に35歳となる中村俊輔もキレキレである。中村と攻撃のタクトを振るう中町、ドリブルでチャンスメイクを連発する齋藤学も好調を維持する。攻守にバランスがいいだけではないのも、横浜FMの強みだ。パスが回らない、セカンドボールが奪えないといった事態に陥っても慌てない。横浜FMには、セットプレーがある。中村の左足から放たれる正確無比なボールで直接ゴールを奪うもよし、中澤、栗原、富澤の高いヘッドに合わせるもまたよし。横浜FMは試合内容がいい上に、頼みの飛び道具まで兼ね備えているのだから5連勝スタートも頷ける。

一方の川崎は3分2敗の15位に喘いでいる。8得点を挙げながら、11失点はいただけない。風間八宏監督のもと、パスサッカーを標榜する川崎はボールポゼッションを徹底する。そのパス回しの中、中盤の底を担う稲本潤一や山本真希が狙われ、簡単にボールを失っているシーンがたびたび見られる。事実、5試合連続で先制点を奪われている。これは苦しい。

だが、選手たちは下を向いていない。勝ち点3が遠い中、「やっているサッカーは間違ってはいない。このサッカーをやり続けることが大事」と異口同音に語っている。風間監督も1-1に終わった5節・湘南戦後、「最終ラインの守備は中盤のふたりとともに比較的安定してきたと思う」と手応えを口にした。大久保嘉人、レナト、パトリックのアタッカー陣は強力、中村憲剛の手綱捌きも秀逸である。勝ち切れない試合が続く中、集中力を切らさなければ、浮上のきっかけは見えてくる。ただ、横浜FMに大敗を喫するようでは、このまま負のスパイラルにハマり込む危険性もはらんでいる。

3月20日のナビスコ杯初戦で激突した両軍だが、この試合は横浜FMがマルキーニョスのゴールで勝利している。しかも、4月10日のナビスコ杯4節を川崎は戦うが、横浜FMは試合はなく中6日の万全のコンディションでホームゲームを迎えることができる。ここまでリーグ戦5試合の戦いぶりは比べるまでもない。横浜FMにハマの強烈な追い風が吹く中、川崎はビハインドを跳ね返すことができるのか。SKYシリーズは4月13日(土)・日産スタジアムでキックオフ。チケット発売中。