壮一帆 壮一帆

1974年の初演以来、宝塚歌劇で繰り返し上演されてきた代表作『ベルサイユのばら』。1~3月、月組で上演され大盛況に終えた“オスカルとアンドレ編”に続き、4月19日(金)からは雪組で“フェルゼン編”を上演。18世紀に起きたフランス革命を背景に、スウェーデンの青年貴族・フェルゼンと、フランス王妃マリー・アントワネットの悲恋が描かれる。今回フェルゼンに挑戦するのは、新トップスターの壮一帆(そう・かずほ)。本作で6度目の『ベルサイユのばら』出演となる壮に、現在の心境を訊いた。

宝塚歌劇雪組『ベルサイユのばら』-フェルゼン編- チケット情報

稽古場では「プレッシャーを感じる毎日」と語る壮。歴代歌われてきた曲を歌うこと、名場面の数々を演じることの重みはもちろんのこと、下級生に伝えていくことへのプレッシャーも大きいと話す。「お稽古が始まったばかりの頃、『ベルサイユのばら』に出演したことがある人とそうでない人の温度差をすごく感じたんです。経験していないと、自分たちがどんなセットの中でどんな衣装を着て存在しているか、想像しきれないんです。『ベルサイユのばら』は、あの豪華なセットや衣装に負けないように、お化粧もいつものお芝居より華やかにする必要があります。そういう違いから私たちがしっかり下級生に伝えていくことで、理想とするレベルまで引っ張っていきたいと思っています」

6度目の出演とはいえ、フェルゼン役は初挑戦。貴族としての立ち居振る舞いを大切に演じたいと意気込む。「“オスカルとアンドレ編”との違いは、全体的に貴族の度合いが高いということ。声の出し方、声質、セリフの言い回しで、平民との差をしっかり表していきたいです。宮廷靴で脚を揃えて立つのも一苦労で、気を抜いたらグラグラしてしまうんです(笑)。いろんなところに制約がありますが、究極の様式美の物語なので、どこの角度からでも自然に美しく見えるようにしたいと思います。そうした貴族としての品を大事にしながら、愛する人への情熱もフェルゼンを演じる上でのひとつの大きな柱として表現していきたいです」

17年目でのトップ就任。自身が目指すトップ像について尋ねた。「自分が心身ともに健康であることで勢いやエネルギーを保ち、いろんな色の魅力を発揮できればと思います。トップに与えられる役割というのはヒーローや正義であることが多く、カラーが限られてくるのですが、その中でも常に新しい姿を見せ、組子たちの意識も高めていけたらと思っています。今回の『ベルサイユのばら』は、より多くのお客様にご覧頂けると思いますので、期待を裏切らないよう雪組の皆でレベルの高いものに仕上げたいです」

公演は4月19日(金)から5月27日(月)に兵庫・宝塚大劇場、6月14日(金)から7月21日(日)に東京宝塚劇場にて。