実話に基づく『42(原題)』が、北米公開初週末に2700万ドルを売り上げ、野球映画としては史上最高の記録を打ち立てた。黒人初のメジャーリーグ選手ジャッキー・ロビンソンの苦難を語る実話にもとづいた感動作だ。

『42(原題)』は、『L.A.コンフィデンシャル』でオスカー脚本賞に輝いたブライアン・ヘルゲランドが監督と脚色を務めた作品。メジャーリーグは白人だけのものだった1947年、ブルックリン・ドジャーズのエクゼクティブ、ブランチ・リッキー・(ハリソン・フォード)は、周囲の抵抗を押し切って、黒人選手ジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボースマン)を入団させる。チームの外からはもちろん、中からも差別を受けながら、ロビンソンがアメリカの歴史を変えていくこの映画は、シネマスコア社の調べによると、観客からA+の評価を受けるほど大好評。口コミでこの後もますます売り上げが伸びることが予想される。野球映画でこれまで最高のデビュー記録を誇ってきたのは、2006年のコメディ『The Benchwarmers』。同作品の公開初週末成績は1960万ドルだった。その次は、2011年の『マネーボール』の1950万ドル。

文:猿渡由紀