温度差2:大都市圏と地方の就活格差

就職活動に費やした交通費・宿泊費。就活序盤段階にも関わらず、「交通費・宿泊費」はこの2ヶ月だけで関東とその他地域で177%と倍近い差が。出所:マイナビ学生就職モニター調査 1月の活動状況
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毎年のことですが、地方大学の学生を採用する際、人事は頭を悩ませます。やはり大都市圏で就職したいという地方大学の学生には、1.移動距離により、時間がかかり、活動が非効率になる。2.往復の交通費・宿泊費などの費用面がばかにならない。3.地方大学にまで大都市圏の企業情報が届きにくい。という3つの向かい風が吹いています。そこで三上氏はその向かい風に対してマイナビとして、何か支援できることはないかと考えた結果、次の方策を取り入れたそうです。

三上氏「いわいる遠方の学生には、webの動画機能でセミナーを行うwebセミナー機能を実装しました。そして、一次面接にはSkypeなどを使う企業も出てきていますね。」

捜査官「Skypeですか! しかし、それでは、学生との関係が希薄になるのではないでしょうか。」

三上氏「ですので、このシステムを導入した企業は、最終面接等は本社まで呼ぶという例が多いですね。またこのシステムを応用して、地方の企業がいわいるUターン希望学生に向けて、地方から発信する場合もありますね。」

捜査官「確かに、地方の有力企業が大都市圏のUターン学生を呼び込むのはなかなかむずかしいところですね。」

三上氏「ですので、地方企業に対してこのマイナビルーム(東京都千代田区)を説明会の会場に使ってもらったりしている例が非常に増えています。現に今日もマイナビルームで、地方の企業が説明会をおこなっています。」

捜査官「どんなにwebのデジタル世界が広がっても、やはり最後は顔と顔をつきあわせるという、アナログの手法は大切だと。」

三上氏「その通りです。今でも変わらず合同企業説明会は数多く実施されていますし、そこに地方学生を採りたい大都市圏の企業と、地元の学生を採りたいという地元企業が参画する構図は変わっていません。Webセミナー等も増えていますが、まだ企業側が運営に慣れていない面は確かにあります。その他にも、地方学生向けにマイナビでウィークリーマンションを貸し出したりもしています。また今年は合同企業説明会の地方会場に向けて東京から無料バスをチャーターして希望する就活生に利用してもらっています。」

捜査官「地方にバスまでだすのは驚きました。ですが、マイナビに利益はあるのですか。」

三上氏「ありません。ただ意欲ある学生を応援するというのが、マイナビのあるべき姿だと思います。」

捜査官「単なる情報発信ツールではないと。」

三上氏「ええ、役に立つ、これは良いと思ったものはどんどん取り入れていきたいですね。」

地方の優秀な学生を採りたいと思っている企業は数多く存在します。いままでは企業側が独自に地方ネットワークを作っていくのが一般的でしたが、今後は就職情報サイトが地方の学生の就職支援をしていくことも増えていきそうです。