柴崎岳 (鹿島アントラーズ)  (C)J.LEAGUE PHOTOS 柴崎岳 (鹿島アントラーズ)  (C)J.LEAGUE PHOTOS

フラットな状態でJ1リーグ第7節の対戦カードを見比べた時、リーグ戦17戦無敗のタイ記録をマークする3位・大宮アルディージャと5勝1分で2位に位置する浦和レッズの埼玉ダービーがひと際目を引く。だが、しかし、NACK5スタジアムのチケットはすでに完売している。というわけではないが、本稿では鹿島アントラーズ×ヴァンフォーレ甲府のプレビューを綴ってみたい。

鹿島アントラーズ対ヴァンフォーレ甲府 J1リーグ戦 チケット情報

鹿島は3勝2分1敗の5位、甲府は2勝2分2敗の8位につける。両軍とも、『ナビスコ杯』を含め、3連勝中である。リーグ戦7回、『ナビスコ杯』5回、『天皇杯』4回の計16冠を誇る鹿島と、J1昇格組の甲府は積み重ねた実績は違えど、チーム状況はともに上向きだ。

ベテランが屋台骨を支えるのも両チームの共通項だ。鹿島にあまたの栄冠をもたらしたMF・小笠原満男、MF・本山雅志、DF・中田浩二、GK・曽ヶ端準の1979年カルテットは健在である。MF・野沢拓也、DF・岩政大樹も30歳を超えてなお、トップフォームを維持している。

一方の甲府も2試合連続でゴールを決めている38歳のDF・土屋征夫を筆頭にMF・羽生直剛(33歳)、MF・山本英臣32歳)、FW・平本一樹(31歳)と各ポジションでベテランが高いパフォーマンスを見せている。さらにJ1リーグ最多試合出場記録511試合を誇る鉄人・伊東輝悦(38歳)も控える。

ベテランだけではない。若き才能も存在感を発揮している。ハタチのMF・柴崎岳は鹿島の攻撃の形を作るとともに、自らも積極的にシュートを放つ。9番を背負う22歳の大迫勇也も3ゴールをマークし、ダヴィとともにチームトップタイの得点数だ。

甲府には大卒ルーキーが揃う。ボランチ・佐々木翔は積極的な攻め上がりで攻撃に厚みをもたらしている。自らボールを前へ運ぶだけではなく、攻撃時のサポート、相手へのプレスでも「前へ」の意識は高い。佐々木が前がかりになれるのも、コンビを組む山本がバランスを取り続けているからだ。さらに開幕3試合連続スタメンを飾ったMF・金子昌広も再び定位置を確保しようと虎視眈々。

さらに両チームには因縁もある。昨季32ゴールで甲府をJ2優勝に導いたFW・ダヴィは、今季から鹿島のユニフォームを着ている。甲府イレブンにとって「ダヴィにゴールを決められた上での敗戦」は、絶対に避けなければならない。

相手の色を消し、一瞬の隙を見逃さず勝利する伝統的な強さを取り戻しつつある鹿島と、コンパクトな組織的守備が連勝の要因となっている甲府。リーグ戦3連勝を決めるのは鹿島か、甲府か。ここを勝ち切るか勝ち切れないかで、中盤戦の風向きが変わってくる。4月20日(土)・鹿島×甲府・カシマスタジアムはチケット発売中。